生きたいのか――。死にたいのか――。
世界的権威である脳神経外科医の大道寺輝彦が殺人罪で逮捕された。
大道寺は見込みのない6人の患者に対し、安楽死の処置を行っており、うち4人に対しては家族の同意を得ずに処置していた。
なぜ大道寺はある日を境に突然悪魔と化したのか?
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越尾圭さんの『誰がためにその手は』を読みました。
あらすじ
世界的権威である脳外科医の大道寺輝彦が、6人の患者に対して安楽死を行ったとして、殺人罪で逮捕された。
しかし、その大道寺が悪性の脳腫瘍により拘置所の中で倒れ、緊急手術を受けることになる。
執刀したのは大道寺の片腕であった星名達也。
手術は成功したものの、抗がん剤治療をはじめて4日目に、大道寺もまた自らが用いたのと同じ薬品で安楽死させられる。
感想
面白かったです。
安楽死に賛成、反対の両方の立場から書かれており、最後まで結論は示さないまま。
読者にその判断を任されるような形になっています。
確かに、どちらの言い分も理解できますし、当事者になると簡単に態度が変わってしまいかねない難しい問題ですね。
事件の方は、どうやったのか(ハウダニット)、誰がやったのか(フーダニット)の2つが大きな謎。
ハウダニットの方が明らかになれば、自ずとフーダニットの方も明らかになるのかな?と思いながら読んでいたのですが、どう考えてもハウダニットの解がわかりません。
多少強引なトリックではありましたが、最新の医療技術を用いたすばらしいものだったのではないでしょうか。
安楽死の被害者である速水彩音の兄・哲平と、大道寺が勤める病院の医療秘書・北村志保の距離感も絶妙ですし、どの登場人物もキャラクターが立っていて読みやすかったです。
そして、最後にひとつに纏まるところもうまかったですね。
これからも目が離せない作家さんです。
機会がありましたらぜひ。




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