世界のクライマーから”ホワイト・タワー”と呼ばれ、恐れられたカスール・ベーラ。
その北壁を1人で制覇した日本人クライマーがいる。
しかし、その偉業に疑問を投じる一編のノンフィクションによって、その偉業が疑惑のものとなってしまう。
根拠となったのは1枚の写真。その登攀は真実だったのか?
真保裕一さんの『灰色の北壁』を読みました。
あらすじ
カンチェンジュンガに挑んでいた刈谷修が亡くなった。
刈谷はかつて、”ホワイト・タワー”と呼ばれたカスール・ベーラの北壁を1人で登攀した。
しかし、刈谷が登攀の証拠として示した写真は、19年前にはじめてタワーを制した御田村良弘が撮影した写真とそっくりだった。
登攀した季節が異なるにもかかわらず、影のできかたが同じだということで、刈谷の登攀は”疑惑の登攀”となってしまう。
感想
真保裕一さんの作品を読むのは、『ホワイトアウト』以来2冊目です。
『ホワイトアウト』は、映画化もされた”派手”な作品でしたが、こちらはどちらかというと地味な作品。
ストーリーも素直ではなく、3編ともうっかりすると置いていかれてしまいます。
読み終わってから、もう1度見直すことも…
ちょっとわかりにくかったかなぁ。
『灰色の北壁』は、山岳小説の第一人者である新田次郎さんの名前を冠した「新田次郎文学賞」を受賞した作品。
これも少しわかりにくかったのですが、最後は霧が晴れたような気持ちになったかな。
収録作品
表題作のほか、『黒部の羆』、『雪の慰霊碑』が収められています。
黒部の羆
閉める準備がすべて終わり、あとは主人が下山するだけとなった山小屋に、遭難者発生の連絡が入った。
元山岳警備隊の通称”羆”は、ひとり遭難者のもとへ向かう。
雪の慰霊碑
3年前、雪山で息子の譲を亡くした坂入慎作は、命日に合わせて譲が亡くなった北笠山に入る。
地上では、譲の婚約者・岡上多映子が、坂入家の異変に気づいていた。




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