アートは自分が世界一だと思えばそれでいい――
大好きな母とルーヴル美術館を訪れた絵未子は、パリ留学中に知り合ったという父と母の、ある絵にまつわる秘密を知ることに。
名画に導かれ、自らの人生に向き合う人々をあざやかに描いた、心あたたまる5篇の物語。
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一色さゆりさんの『モナリザの裏側』を読みました。
あらすじ
母とふたりでルーヴル美術館を訪れた絵未子は、〈モナリザ〉の裏側に展示されているティツィアーノの〈田園の奏楽〉という作品が、母にとって特別な1枚だと告げられる。
そこには、学生時代に語学留学のためにフランスに渡った母と、ルーヴル美術館の歴史を研究していた父の若き日の想い出がつまっていた。
感想
時代も場所もバラバラの、5篇の短編が収められています。
〈モナリザ〉の裏側にあたる場所に、本当に〈田園の奏楽〉が展示されているのか、ちょっと調べてみましたが、確認することができませんでした。
ルーヴル美術館のWebサイトも見てみたのですが…
まぁ、そこは本質ではないので、大きな問題ではないのですが。
それにしても、1週間くらいかけて、ルーヴル美術館巡りをしてみたいですね。
って、日本の美術館もろくに回ったことがない私には、豚に真珠かもしれませんが…
『青い馬の瞳』に出てきた青い馬の絵や廃退芸術の話は、内田康夫さんの『遺譜 浅見光彦最後の事件』で読んだことがあったので、イメージをたやすく掴むことができました。
5篇の作品の中で、この話が1番背景を掴みにくいかな?と思ったので、ちょっと得した気分。
5篇が5篇とも個性を持った作品でしたが、どれも良い話でした。
アートは文字よりも先にできたという話がどこかに出ていたと記憶しているのですが、アートの力はすごいですよね。
それを言葉にするという作業は大変だと思いますが、アートの存在が言葉に力を与えてくれているように感じました。
収録作品
表題作のほか、『オスロで光の種をまく』、『青い馬の瞳』、『富士山のハンマープライス』、『千年のあこがれ』が収められています。
オスロで光の種をまく
心を病んで大手家具メーカーを辞めた大江沙弥夫は、突如思い立ってムンクの絵を観るためにオスロへ向かう。
オスロでは、海外出張中のインテリアの企画販売に携わる日本人として、照明デザイナーのIlyaと会う約束を取り付けるが…
青い馬の瞳
第1次世界大戦後、在ドイツ大使館に駐在する島田野以は、廃退芸術展の会場で青い馬の絵に目を奪われる。
野以はその会場で知り合ったガブリエレから、ナチスによって処分されてしまう絵を日本に持ち帰ってほしいと依頼される。
富士山のハンマープライス
オークションハウスに勤める日比野真美は、ニューヨークで行われるオークションにかけられるゴッホの〈医師ガシェの肖像〉を、缶詰会社の元会長・油谷福造が落札するのに同行することになる。
油谷は「ゴッホの絵をあの世に連れて行く」と言って、世間からバッシングを受けていた。
千年のあこがれ
絵描きを目指して京都画塾で研鑽を積む白舟呉服の令嬢・ぼたんは、京都美術展の審査員特別賞を受賞した。
しかし、会場の倉庫に運び込まれたぼたんの絵に白いペンキがかけられるという事件が発生する。




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