羽田空港の保安検査場で働く南谷結月巡査は、教官の向島から「警察官としての視野が狭い」として、とある飲み会に参加するよう言われる。
その飲み会に参加している人物こそ、警視庁で3番目の地位に就く大迫警視長と座間味くんと呼ばれる会社員だった。
結月は2人の話を訊くうちに警察官として成長していく。
石持浅海さんの『パレードの明暗 座間味くんの推理』を読みました。
あらすじ
東京流通大学祭のメインイベント、コスプレイヤーらによるパレードの最中、『東流大世直し隊』のメンバーが罠を仕掛けたとの連絡が入った。
パレードを見守っていた実行委員の畑中義高と堀越奈乃香は、街路樹の根元にスーパーマーケットの袋が並べられているのを発見する。
感想
「座間味くんシリーズ」の第4弾です。
前作『玩具店の英雄 座間味くんの推理』では、科学警察研究所で勤める津久井操が大迫と座間味くんの飲み会に参加していましたが、今回は柔道の猛者である南谷結月巡査が参加することになります。
大迫が語る過去の事件の概要に対し、1段深く掘り下げた視点から感想を述べる座間味くん。そして、それを訊く結月。
大迫と座間味くん、2人だけの飲み会だった『心臓と左手 座間味くんの推理』に1人加わるだけで、潤滑剤が挿されたように滑らかに会話が進むのだから不思議です。
2人だけの時も面白かったですが、3人になってからの作品を読むと、もう2人には戻れません。
それにしても、座間味くんとはいったい何者なのでしょうか。
本名も職業も不詳ですが、それ以上に驚かされるのが目の付け所。
大迫の話を訊くだけで、当事者の深層心理に迫ってしまうのですから、大したものです。
現時点で、もう1冊発刊されているようなので、そちらも楽しみにしています。
収録作品
表題作のほか、『女性警察官の嗅覚』、『少女のために』、『アトリエのある家』、『お見合い大作戦』、『キルト地のバッグ』、『F1に乗ったレミング』が収められています。
女性警察官の嗅覚
警察官を辞めて専業主婦になった女性が、スーパーマーケットのある棚が空になっていることに気づく。
それらを組み合わせると塩素ガスが発生することを思い立った彼女は…
少女のために
小学生の少女がカッターナイフで自らの顔を傷つけたことから、母親が少女の画像をインターネット上で販売していることが発覚した。
家宅捜索に入った女性警察官が、少女の母親を侮辱する発言をするが…
アトリエのある家
個展を開くほどの腕前を持つ日曜画家のアトリエに女性が侵入し、異変を感じてアトリエに向かった画家を刺殺した。
画家の妻は、女性がじっと見ていた絵を守るため「その絵だけは、持っていかないでっ!」と叫んだ。
お見合い大作戦
警察官の野尻和輝は、同じく警察官の父の上司が持ち込んだ縁談により、中学教師の女性とお見合いをすることになる。
もうしばらく独身生活を謳歌したい和輝は、女性から断ってくるようにネガティブな話題を持ち出すが…
キルト地のバッグ
小国の閣僚が来日することになった。
爆発物による事件が計画されているとの情報を得た警察は、閣僚が立ち寄ることになっている公民館の警備を厳重にするが…
F1に乗ったレミング
ゲリラ豪雨で冠水したアンダーパスに、パトカーに追われた銀行強盗の逃走車が突っ込んだ。
交通整理をしていた女性警察官は、迷わず逃走車に近づき、パトカーを使って車を引き上げたが…




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