【読書】岩井圭也『最後の鑑定人』

岩井圭也 最後の鑑定人 ├ 岩井圭也

最後の鑑定人――
「彼に鑑定できない証拠物なら、他の誰にも鑑定できない」と言われた土門誠は、7年前に冤罪事件に関わったことを苦にして科捜研を辞めた。
土門が立ち上げた民間の鑑定所には、次々と難解な事件が持ち込まれる。
弁護士、裁判官、警察、そして冤罪事件の責任を取る形で警察を去った刑事の母親から…

岩井圭也さんの『最後の鑑定人』を読みました。

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あらすじ

残された痕

工事現場で女性が絞殺された。
残されていた体液から、女性とかつて交際していた北尾洋介が逮捕されたが、北尾は無罪を主張している。
国選弁護人として北尾の弁護にあたる相田直樹は、土門鑑定所所長の土門誠にDNAの再鑑定を依頼する。

感想

こういった作品は、どんでん返しものが多いように思うのですが、この作品は順当に鑑定をした結果、真実に行き着くといった流れになっているように感じました。
土門の口癖である「科学は嘘をつかない」という言葉の上に成り立った話と言えば良いでしょうか。

防犯カメラの画質は良くなり、科学捜査の方法は増え、精度も向上。
犯罪を起こしにくい世の中になったなと感じます。
もちろん、私自身が犯罪を犯そうとしているのではなくて、ミステリ小説を書くのも難しくなってきているよなぁと。

3、40年くらい前の作品を読むと、今の時代では成り立たないトリックが散見されます。
それはそれで面白いのですが、今の作家さんはずいぶん苦労されているんじゃないかと、思ってしまいます。

派手さはないものの、安定感のある展開で、面白く読ませていただきました。
続編もあるようなので、手に取ってみたいと思います。

収録作品

『残された痕』のほか、『愚者の炎』、『死人に訊け』、『風化した夜』が収められています。

『愚者の炎』

縫製工場で働くベトナム人技術実習生が住む家屋から火が出た。
地方裁判所のベテラン判事・香取太一郎は、燃焼残渣の鑑定を土門に依頼する。

『死人に訊け』

海に沈んだ軽自動車の中から白骨化した遺体と12年前の宝石店強殺事件で奪われた宝石が発見された。
刑事の都丸は上司の指示で、土門鑑定所に鑑定を依頼しにいく。

『風化した夜』

7年前に冤罪事件を起こしたとして責任を取る形で警察を去った西村葉留佳が、自ら命を絶った。
土門は葉留佳の母に依頼され、自殺の原因を調査する。

コメント

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