最初の犠牲者は名探偵、島では4人が殺される、ある章は過去、共犯者がいる…
嵐によって孤立した双紋島で発生した連続殺人事件を描いた『双紋島の殺人』は、巻頭に7つのネタバレが加えられて単行本化された。
作品の中では真犯人に辿り着いていないが、あなたは事件の真相を見破ることができるか?
下村敦史さんの『ネタバレあり 双紋島の殺人』を読みました。
あらすじ
ミステリ作家の三雲梟馬ら8人は、嵐の日にだけ出入りできる海底洞窟に宝が埋まっていると言われる双紋島を訪れた。
しかし、大嵐によってクローズドサークルと化した双紋島では、4人の犠牲者が…
殺人犯が判明していないこの事件を読者に解いてもらうため、ミステリ小説『双紋島の殺人』を書き上げるが、単行本化に際し、「島での最初の犠牲者は名探偵」、「島では4人が殺される」、「ある章は過去」、「共犯者がいる」といった7つのネタバレを巻頭に付け加える。
感想
過去に『同姓同名』や『全員犯人、だけど被害者、しかも探偵』など、トリッキーな作品を書き上げてきた下村敦史さんが今回挑んだのは、ミステリのご法度である「ネタバレ」。
作品は、梟雲三馬によって刊行された『双紋島の殺人』と、それを元にした謎解きから成っています。
『双紋島の殺人』では、殺人犯がわからないまま、事実を書き連ねたところで終わっているのですが、巻頭に記された”ネタバレ”を含め、事件を解く鍵はすべて書かれています。
ここまでの部分で自分なりに謎解きをするのも楽しいのですが、そのあとに”解決編”があるため、真相に行き着かなくても大丈夫といった構成になっています。
犯人がはっきりと書かれないまま終わるミステリというと、東野圭吾さんの『どちらかが彼女を殺した』や『私が彼を殺した』を思い浮かべるのですが、これら2作品は本当に犯人が示されないまま終わっているのに対し、この『ネタバレあり 双紋島の殺人』では、”解決編”が用意されている分、難しくなっています。
とはいえ、”解決編”を読んで、こうやってブログに感想を書いていると、こんなところにとっかかりがあるじゃないかと、解けなかったのが不思議になってしまうのですが…
ネタバレというミステリ小説のタブーを扱った作品。
今年のミステリランキングで上位に食い込むんじゃないかな?と思えるくらい良い出来に仕上がっていました。
機会がありましたらぜひ。




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