【読書】湊かなえ『暁星』

湊かなえ ├ 湊かなえ

生きろ!
永瀬暁はそう叫びながら舞台の袖から飛び出し、文部科学大臣・清水義之の首に、加工したペーパーナイフの刃を突き刺した。
永瀬は逮捕後、週刊誌で手記を発表しはじめるが、そこには新興宗教への恨みが綴られていた。
一方、舞台の反対の袖にいた作家の金谷灯里は、事件を題材にした小説を書き上げる。

湊かなえさんの『暁星』を読みました。

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あらすじ

N県の高校で開かれた全国高校総合文化祭の式典中、文部科学大臣・清水義之が、舞台袖から飛び出してきた男に刺され、死亡する事件が発生した。
男の名は永瀬暁。作家の長瀬暁良の息子だった。
永瀬は事件のあと週刊誌で手記を発表するが、そこには新興宗教への恨みが綴られていた。

感想

永瀬暁による手記『暁闇』と、金谷灯里による小説『金星』のノンフィクション、フィクション2つの物語から構成されている作品になっています。

『暁闇』は、どこまで行っても救いようがなく、読んでいて気持ちが鬱々としてくるような話になっています。
この調子で延々と読まされるのはちょっと辛いなと思いながら読んでいたのですが、『金星』はそれに比べると少し光が差しているかな?と思える内容。
『金星』単体で読むと辛くなってくるのでしょうが、『暁闇』のあとに読むと救われた気持ちになります。

新興宗教に対する恨みから、関係のある政治家を狙うというのは、安倍元総理殺害事件が題材になっているのでしょう。
あの事件以来、同じように事件を題材として扱った作品を何冊か読みましたが、ここまで突っ込んだ話ははじめてでした。
母親が新興宗教にお金をつぎ込んで…というところを、もう少し悲惨に書いても良かったのかな?とも思いましたが、最終的には本人の問題というところを言いたかったのかな?とも感じました。

なかなか重い読書になりましたが、『暁闇』と『金星』の2つを読むと、なぜか救われたような気持ちになるのが不思議。

事象を片側からだけ見てはダメなんだなということを、改めて感じさせられる作品でもありました。

ラスト1行、ラスト3行の破壊力も抜群。
前半を読んでいた時の気持ちはどこへやらという、感動のラストが待ち受けています。

コメント

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