「私、本当は、魔法使いなの」
大学進学を前に、同じ予備校に通う日輪に告白された満作千代子は、遠距離恋愛になるのを嫌い、交際を断ろうとするが、押しに弱い千代子は毎回日輪に言い負かされてしまう。
自宅に遊びに来ていた近所の幼稚園児が視ていたテレビに着想を得た千代子は、自分が魔法使いだと言って交際を断ろうとする。
浅倉秋成さんの『失恋の準備をお願いします』を読みました。
あらすじ
上京間近のウィッチクラフト
高校3年生の満作千代子は、同じ予備校に通う男の子から告白された。しかし、千代子は東京の大学へ進学する予定。兄も同様に遠距離恋愛になって悲惨な結果を迎えてしまったのを見た千代子は、交際を断るために、自分が魔法使いだと嘘をつく。
感想
ちょっとスマホで読む本が欲しかったので、久しぶりに電子書籍を買いました。
『六人の嘘つきな大学生』、『九度目の十八歳を迎えた君と』につづき、3冊目の浅倉秋成さんの作品です。
連作短編になると思うのですが、長編として扱っても良いのかな？と思いました。
そもそも、私は長編と連作短編の違いがいまいちわかっていないのですが…
各話の間にゆるーい繋がりがあって、最終話でそれらがすべて回収される。
これって、やっぱり長編なのでは？？
失恋に関係する話ばかりなのですが、自分の失恋経験を思い出すのではなく、楽しめるところが浅倉秋成さんの筆力でしょうか。
軽い本を読みたいときにもってこいの作品かと思います。
収録作品
『上京間近のウィッチクラフト』のほか、『真偽不明のフラーテーション』、『不可抗力のレディキラー』、『寡黙少女のオフェンスレポート』、『勤勉社員のアウトレイジ』、『失恋覚悟のラウンドアバウト』が収められています。
真偽不明のフラーテーション
漆原博士から市松人形型の嘘発見器をもらった賢二は、同じ高校に通う千鳥翔子と菊池正が言い争っているところにはち合わせる。
嘘発見器は、2人の嘘を言い当ててしまう。
不可抗力のレディキラー
梅木鶴子が通う高校に転校してきた蕗俊太郎は、尋常じゃなくモテる。
無駄にキザな話し方をし、ガラムマサラを体に振りかけているのだが、なぜか女子たちが寄ってきてしまうのだという。
寡黙少女のオフェンスレポート
体育の時間が終わったあと、桐山君のボールペンがなくなった。
最後に教室を出た芙蓉さんが犯人だという空気が流れる中、折尾は状況証拠だけで犯人扱いするなと一喝するが…
勤勉社員のアウトレイジ
ブラック企業に勤める藪田真澄は、クビになって会社から去ろうと思って問題行動を起こすが、ことごとく裏目に出てしまう。
そんなとき出会った少女から、クビになるためのシナリオを提案してもらう。
失恋覚悟のラウンドアバウト
日の下町で2つの事件が同時に発生した。
1つは、プロポーズに失敗した男が小学校に立てこもった事件。もう1つは、失恋した女子高生が電車をハイジャックした事件。
これを解決するのは…
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