立原祐二と木塚隆、倉本俊樹の3人は、標高8126m、世界第9位のナンガ・パルバットの冬期初登頂に挑んだが、頂上まであと一歩のところで悪天候に見舞われた上、倉本が重篤な高所障害を発症した。
3人は登頂を断念したが、倉本が下山中の事故で亡くなってしまう。
6年後、立原と木塚はナンガ・パルバットへの再挑戦を決断するが、パーティに加えてほしいと接触してきたのが倉本の歳の離れた弟・晴彦だった。
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笹本稜平さんの『大岩壁』を読みました。
あらすじ
ヒマラヤで”魔の山”と恐れられるナンガ・パルバットで倉本俊樹を失った立原隆と木塚俊樹は、6年後ナンガ・パルバットの冬期初登頂に再挑戦する。
その話を聞きつけて接触してきたのが、倉本の弟・晴彦だった。
自らを過信している晴彦をパーティに加えるのを渋った2人だったが、晴彦の技術を目の当たりにし、半ば押し切られる形で同行を許可することになる。
感想
半ば強引にパーティに入り込んできた倉本晴彦がいけ好かない人間で…
仕事はできるけど、人間ができていないヒトと言えばわかりやすいでしょうか。
例え仕事であっても、一緒にいたくないタイプの人間ですね。
まぁ、私は仕事も人間もできていないので、はじめからうまくいくはずがないのですが…
確かにクライミングの技術は持っているけど、パーティに入れてしまうと空中分解してしまうんじゃない?という懸念は現実に。
そこは、立原と木塚が大人なのでうまく取りなすのですが、さらに決定的な出来事が…
この作品で立原らが挑んだのは、世界第9位のナンガ・パルバットの冬期初登頂ですが、実際に冬期初登頂がなされたのは2016年2月のことだそうです。
ちなみに、この作品が連載されたのが2015年。
笹本稜平さんの作品によく見られることですが、近未来を予想したかのようなタイミングで驚きです。
ナンガ・パルバット自体は1953年に初登頂がなされているので、冬期初登頂までなんと60年以上もかかった計算になります。
しかも、タイトルにもあるとおり、立原らが挑んだのはルパール壁と呼ばれる”大岩壁”。
標高差4000m以上という、想像もつかない壁です。
立原らの読みでは、冬期はこのルパール壁が1番可能性がありそうとのことなのですが…
これまでに読んだ、『ソロ ローツェ南壁』にはじまる「ソロシリーズ」の奈良原和志や『還るべき場所』の矢代翔平らは独身でしたが、妻と子供がいる立原らの立場でこれだけの危険を冒すのは無理だなぁと思いながら読んでいました。
もし独身なら、と考えても、命をかけるような登山は無理ですね。
ましてや、晴彦のような人間とザイルを繋ぐのは絶対無理!
登山だけに限らず、身の回りには危険がいっぱいなので、気を引き締め直さなければならないなと思いました。
家族のためにもね。




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