30人分の警察手帳が盗まれた――
J県警U署で一括保管されていた30人分の警察手帳が紛失した。
県警本部の貝瀬正幸の起案で、警察手帳の紛失事故防止を狙って勤務時間は所属長が部下の手帳を預かる制度を試行中のことだった。
内部犯を疑った貝瀬は、記者発表まで2日の猶予をもらい、犯人探しをはじめるが…
横山秀夫さんの『動機』を読みました。
あらすじ
J県警本部警務課企画調査官の貝瀬正幸は、内部からの反発を受けつつも、勤務時間外の警官の警察手帳を上長が預かる制度を起案した。
そんな中、試験導入中のU署で、30人分の手帳が保管していた金庫から紛失する事件が発生した。
内部犯と読んだ貝瀬は、記者発表を2日延ばすことに成功し、犯人探しをはじめる。
感想
相変わらず面白い作品を書かれる方だなぁと思ったのですが、この作品は同じ「D県警シリーズ」の『陰の季節』に続くデビュー2冊目なんですよね。
少し時代を感じますが、今読んでも十分に面白い作品になっています。
特に2番目に収録されている『逆転の夏』が面白かったです。
最後まで真相がわからない、非常に練られた作品になっていました。
また、『ネタ元』は、新聞記者だった横山秀夫さんの経験が活きた作品になっているでしょうか。
ほかの作品に関しても、この元新聞記者という経歴からくる、ちょっと視点を変えた切り口が面白さに繋がっていると思います。
4編の短編が収められていますが、『動機』と『逆転の夏』、『ネタ元』の3作品がこれまでにドラマ化されているというのも、納得できます。
「D県警シリーズ」の第2弾となっていますが、『陰の季節』との関係はほとんどないので、こちらから読んでも問題ないようになっています。
機会がありましたら、ぜひ。
収録作品
表題作のほか、『逆転の夏』、『ネタ元』、『密室の人』が収められています。
逆転の夏
売春目的の女子高生を殺害した罪で12年服役した山本洋司は、遺体搬送会社に職を得ていた。
その山本のもとに、少女売春を行って脅されているという男性から、脅迫相手を殺害して欲しいと電話が入る。
ネタ元
地方紙で事件記者をしている水島真知子のもとに、全国紙から引き抜きのオファーがきた。
真知子を引き抜くメリットとしては、地裁の刑事部庶務係で働く佐伯美佐江というネタ元くらいしか思い当たらないのだが…
密室の人
裁判官の安斎利正は公判中に居眠りをしてしまい、寝言で妻の名前を呼んでしまった。
安斎は裁判所長の楠木から、新聞記事にならないように処理せよと命じられる。




コメント