【読書】[オススメ]横山秀夫『クライマーズ・ハイ』

横山秀夫 ├ 横山秀夫

1985年8月12日、群馬県多野郡上野村の高天原山山中ヘ日本航空が運航するジャンボジェット機123便が墜落した。
地元地方紙の遊軍記者・悠木和雅は、この史上最悪の航空機事故の全権デスクを任される。
墜落現場はどこか? 生存者はいるのか? 事故原因は何か?…
刻々と入ってくる情報――
凄まじい迫力、緊張感が読者を襲う1冊。

横山秀夫さんの『クライマーズ・ハイ』を読みました。

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あらすじ

群馬県の地方紙『北関東新聞』の遊軍記者・悠木和雅は、親友で同僚の安西耿一郎と、長い年月未登の岸壁だった衝立岩にチャレンジする約束をしていた。
しかしその前夜、日本航空が運行する東京発大阪行きのジャンボジェット機123便が群馬、長野、埼玉の県境付近で消息を絶った。
この一報を受け、悠木は全権デスクに任じられる。
次々と入ってくる情報、記者の派遣、他部門との調整…
悠木は自らの信念に従って責務を果たそうと奔走する。
一方、悠木と衝立岩にチャレンジする予定だった安西は、頭を打って意識不明の状態で病室のベッドの上で眠っていた。

感想

お初の作家さんかな?と思いましたが、以前『64』を読んでいましたね。
重厚な社会派の作品を書かれる方みたい。
まだ2作しか読んでいませんが、この2作を見るとどういった作品を書きたい方なのかが伝わってきます。
私の好みですねぇ。

こんな小さな本から飛び出してくる迫力、緊張感…
小説を読んでいて、こんな圧迫感を感じたのは初めてです。
映像で見るよりも現場の迫力や緊張感が伝わってきたかも…
これが文章の持っている力というやつでしょうか。

あまりにリアルすぎるため、これってフィクションだよね?って確認したくなるほど。
毎年お盆の頃になるとニュースで流れる御巣鷹山での日航機墜落事故。
この事故をベースに、架空の地方新聞社の内部を描いた作品になっています。
作者の横山秀夫さんが、この頃群馬県の地方新聞社『上毛新聞』で記者をされていたと聞いて、リアルさの一因を理解することができました。

作品の中で悠木が考えていたことは、横山秀夫さん自身の思いだったのかな?
「大きい命と小さな命」の話とか、「新聞紙ではなく新聞を作りたい」という話など、様々な思いが伝わってきました。

あいだあいだに入ってくる、安西の息子との衝立岩への挑戦のシーンも絶妙。
こういったシーンをうまく間に挟めるのって、才能なんだろうなぁ。
タイトルのクライマーズ・ハイ(興奮状態が極限まで達し、恐怖感が麻痺してしまう状態)というのも絶妙でした。
こういう状態に入り込まないと、これだけの大きな事故の報道の指揮を執れませんよね。

間違いなく今年読んだ本の中で1番!
(って茶化しているわけではなく、読了は2024年11月)

しばらく余韻に浸ったあと、横山秀夫さんの他の作品も探してみたいと思います。

ぜひ読むべきと思う、オススメの1冊です。

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