内田康夫さんの『中央構造帯』を読みました。
阿部奈緒美が勤める日本長期産業銀行には「将門の椅子」とよばれる席があり、この席に座った人が相次いで不審死を遂げている。そして、奈緒美が恋した田中誠一が殺害されてしまった。そんな時、奈緒美は大学の同窓生である浅見と出会う。
さらに、茨城県の将門川で自殺者が出たが、これらの事件は平将門の呪いによるものなのか?
この作品は、当初『将門伝説殺人事件』として出版するために書き始めたそうですが、別途執筆を予定していた日本長期信用銀行の破綻をモデルとした作品と組み合わせて描くことによって面白みが増しているように思います。
作中で日本長期産業銀行の隣に平将門の首塚があるとされていますが、実際にモデルとなった日本長期信用銀行の隣にも平将門の首塚が存在しているというのだから驚きです。
やはり、内田康夫さんは何かを持っている作家だと感じました。
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