【読書】石持浅海『心臓と左手 座間味くんの推理』

石持浅海 座間味くん ├ 石持浅海

琉球航空のハイジャック事件から数年後、事件に関わった大迫警視は、新宿の書店で”座間味くん”と再会する。
そのまま食事に行った先で座間味くんに事件の話をすると、警察が掴めていなかった事件の真相を解き明かす。
ハイジャックから11年後を描いた作品を含む7作からなる短編集。

石持浅海さんの『心臓と左手 座間味くんの推理』を読みました。

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あらすじ

新興宗教の教祖の家で、左手を切り落とされ、胴体を切り開かれた教祖の死体と、血まみれになって倒れている3人の男女の死体が発見された。
教祖は生前、教祖の心臓を食べたものが次の教祖になるという遺言を残しており、幹部3人が心臓を巡って争った上での同士討ちだった。
琉球航空のハイジャック事件に関わった大迫警視が、やはりハイジャック事件で探偵として活躍した座間味くんにこの話をすると、大迫の説明には欠損があると言い出す。

感想

『月の扉』で登場した座間味くんを安楽椅子探偵に据えた7作の短編からなる短編集です。

ハイジャック事件のとき、座間味島のイラストが描かれたTシャツを着ていたことから”座間味くん”と呼ばれるようになったわけですが、この作品でも相変わらず”座間味くん”と呼ばれていますので、どうやら本名は登場しないようです。

私はノベルス版で読んだのですが、どの作品も30ページ程度と一息で読める分量。
事件ごとに食事に行く店は変わるのですが、大迫警視による事件の説明と、座間味くんによる真相の指摘の大きく分けて2パートからなっています。

ハイジャック事件では、密室状態にあった飛行機のトイレでの殺人の謎を解いた座間味くんですが、その頭脳は衰えを知らず。
大迫に対して鋭い指摘を入れています。

ちょっと視点を変えただけなのですが、事件の見え方がガラッと変わって…
特に『地下のビール工場』などは、現実の事件ではないにも関わらず、ほっと胸をなで下ろしたり。

あと3冊出ているようなので、そちらも手に取りたいと思います。

収録作品

表題作のほか、『貧者の軍隊』、『罠の名前』、『水際で防ぐ』、『地下のビール工場』、『沖縄心中』、『再会』が収められています。

貧者の軍隊

テロリスト集団『貧者の軍隊』のメンバーが事故死し、メンバーたちの隠れ家を突き止めることに成功した。
しかし、警察が隠れ家に踏み込むと、メンバーの1人が密室状態の部屋の中で殺害されていた。

罠の名前

SATが過激派組織『PW』のアジトに踏み込んだが、部屋にいた『PW』の戦闘隊長・芳賀は窓から飛び降りて死亡。
さらに、芳賀が仕掛けた罠によって、拉致されていた弁護士までもが死亡してしまう。

水際で防ぐ

外来種の危険性を訴えていた環境保護団体のメンバーがスパナで頭を殴られ殺害されたが、その部屋から海外から持ち込まれたカブトムシが発見される。

地下のビール工場

貿易会社の社長が外為法に違反した貿易を企んでいるとの密告が入った。
警察が社長宅を訪ねると、地下にあるビール醸造所で、社長が殺害されていた。

沖縄心中

『九条を沖縄憲法にする会』に参加する女性・増島宏美と在日米軍の広報局に勤務するロバート・リードが宏美の部屋で心中した。
リードは心中の前、会のメンバーと喧嘩になり、相手の男性を殺害してしまっていた。

再会

琉球航空のハイジャック事件から11年。
事件で人質になった玉城聖子は私立学校見学のために沖縄を訪れる。
その際、那覇空港で出会ったのが座間味くんだった。

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