【読書】岩井圭也『追憶の鑑定人』

岩井圭也 最後の鑑定人 ├ 岩井圭也

何人たりとも、他人の人生を規定する権利はない。たとえモンちゃんが嫌がろうとも、私は土門誠に関わり続ける。それが私のやり方だから――
彼に鑑定できない証拠物なら、他の誰にも鑑定できないと、「最後の鑑定人」との異名をつけられた土門誠。
土門が開いた民間鑑定所を大学教授の猪狩愛が訪れる。
彼女は土門の学生時代を知る数少ない友人のひとりだったが…

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岩井圭也さんの『追憶の鑑定人』を読みました。

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あらすじ

交感原理

元夫からのストーカー被害に悩まされていた水原佳南絵が、自宅を訪ねてきた元夫を殺害する事件が発生した。
佳南絵は元夫を殺害後、頭部を切り落としたのち、遺体を山林に捨て、約半年後に警察に出頭した。
佳南絵は頭部を切り落とした理由について「憎かったから」と供述していた。
弁護士の相田は民間鑑定人の土門誠に、佳南絵がストーカー被害に遭っていた事実を証明してほしいと依頼する。

感想

「最後の鑑定人シリーズ」の第3弾です。

元科捜研のエースで、「最後の鑑定人」との異名を持つ土門誠。
今回はその土門の学生時代の研究室の同期生が登場します。
これまで語られなかった、土門の過去まで…!

大学の同期生っていうのは貴重ですよね。
私も数人年に1度集まる同期たちがいますが、社会人になっても学生時代に戻った気になれます。
会社の同僚とはまた違った信頼関係があって、なによりの宝物です。

そんな同期のためですから、猪狩愛が火事に巻き込まれたときには、仕事そっちのけで放火の証拠を集めようと…
もし放火だった場合、愛が第1の容疑者になるにもかかわらずという状況の中、事故ではなく事件であると本気で捜査ができるのは、愛への絶対的な信頼があってのことでしょう。

どの作品も、具体的な鑑定依頼というよりは、ざっくりとした依頼が持ち込まれていて、何をとっかかりにするのかな?と思いながら読み進めましたが、さすがは土門。
どの事件も最後には結果を出して見せます。

土門の鑑定人としての意地が見られたように思いました。
機会がありましたらぜひ。

収録作品

『交感原理』のほか、『雑踏に消ゆ』、『見知らぬ水底』、『灰色の追憶』が収められています。

雑踏に消ゆ

真冬の2月に開催されるS市の花火大会で、駅に直結する歩道橋に人が密集し、怪我人が出る事故が起きた。
現場にいた人物が撮影した動画には、事故の直前、何者かが「火事だ」と叫ぶ声が入っていた。

見知らぬ水底

京浜運河の護岸に男性の水死体が打ち上げられた。
男性は泥酔状態であったことがわかったが、捜査にあたった都丸刑事は違法薬物の利用を疑い、民間鑑定人の土門誠に鑑定を依頼する。

灰色の追憶

大学教授の猪狩愛が学内で発生した火事に巻き込まれ、入院した。
愛は土門の学生時代を知る数少ない友人のひとりだったが、土門は火事が放火によるものではないかと考え、新たな仕事を断ってまで証拠を捜しはじめる。

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