希望が自分から歩いてきてくれたな。こういう嬉しいことがあるから、人生というのはやめられん――
4年前、矢代翔平はK2でパートナーの栗本聖美を失った。
それ以来山から離れていた翔平は、山岳ツアー会社を営む板倉亮太から電話を受ける。
公募登山でブロードピークへお客さんを登らせた直後にK2を登らないかというのだ。
笹本稜平さんの『還るべき場所』を読みました。
あらすじ
4年前、K2でパートナーの栗本聖美を失った矢代翔平は、山から遠ざかっていたが、ようやく山に向き合う心の準備ができた時、高校生の頃からの山仲間・板倉亮太からK2に誘われる。
商業登山のツアー会社を営む亮太は、お客さんをブロードピークへ登らせた直後、K2に速攻をかけようと言うのだ。
スタッフの一員としてブロードピークへ入った翔平たちを、困難が待ち受ける。
感想
やっぱり、笹本稜平さんの山岳小説は最高です。
私に合っているんでしょうね。
これまで読んだ作品でも、名前だけは出てきた公募登山を扱った作品になっていますが、こういうものなのだということがわかって、またひとつ知識が増えた気がします。
はじめに読んだ「ソロシリーズ」より前に書かれた作品だということは、読んでいても伝わってきたのですが、良い意味で変わっていないなぁと。
それでいて、この作品から「ソロシリーズ」までの間に進化している部分もあって。
商業登山に対するイメージはあまり良いものではなかったのですが、この作品を読んでイメージが変わりました。
もっとも、この作品のようなことはなかなかないのでしょうが、偉大なる山に挑む人間は、商業登山であろうとなかろうと、血が通った人たちなんだなと。
聖美については、千にひとつ、万にひとつの可能性を期待せずにいられなかったのですが…
翔平が辿り着いた結論については、読んでのお楽しみです。
終盤はもう一気読み。
山岳小説としてだけでなく、心を揺さぶられる作品に仕上がっていますので、機会がありましたらぜひ。




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