【読書】辻村深月『ファイア・ドーム』

辻村深月 ├ 辻村深月

私が、送るべきだった。光汰朗くんを守るべきだった――
小学4年生の戌井光汰朗が行方不明になった。
最後に光汰朗を目撃したのは、担任は教師2年目の佐村美冬。仕事帰りに鍼灸院へ向かう途中だった。
日が陰りかけた時間に、光汰朗を自宅へ送り届けなかった美冬の対応に、ネット上は大炎上する。

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辻村深月さんの『ファイア・ドーム』を読みました。

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あらすじ

北陸地方のL県蒔戸市で、小学4年生の戌井光汰朗が行方不明になった。
最後に光汰朗を見かけたのは、担任の佐村美冬。
予約していた鍼灸院へ向かう途中だった美冬は、光汰朗に早く家に帰るように言ってその場を離れてしまった。
一方、蒔戸市では、25年前に百貨店の受付嬢が誘拐され、殺害されるという事件が発生していた。

感想

上下巻あわせて896ページというヴォリュームにもかかわらず、たった2日で読んでしまいました。
それくらい面白い作品。

出だしは、2年目の小学教諭・佐村美冬の行動がネット上で炎上してしまい、嫌な思いをしたのですが、特に下巻の展開は見応えのあるものになっていました。

それにしても、美冬は強いなぁと。
ネットであれだけ炎上したら、私は心が折れて再起不能になっていると思うのですが…
もちろん、美冬もだいぶ応えたようですが、そこで折れなかったのは、責任感故でしょうか。
私だったら、すべてを投げ出して布団の中にもぐり込んでいそうなものですが。

また、25年前の誘拐事件の被害者の父親であり、光汰朗の祖父である新沼忠治も、できた人物だなぁと。
私だったら、これだけ辛抱強く周りで起きていることを受け止めることはできないなと思いながら読んでいました。

美冬を見ても、忠治を見ても、自分は人間としてまだまだだなぁと…
って、何歳なんだよって話なのですが…

25年前の事件と、現在の事件がどう繋がっていくのかな?と思いながら読んでいたのですが、綺麗に纏まりましたね。
それを好奇心ではなく、関係者への配慮を忘れずに記事にした、新聞記者の桜木透真の姿勢も素晴らしかったです。
こんな若い記者がいるのであれば、これからの日本も捨てたもんじゃないなって。

光汰朗とその友だちたちもそうですし、すべての登場人物から、人間としての生き方をあらためて教えられたような気がします。

辻村深月さんが、「今の私をすべてかけて書き上げました」と言う作品、しっかりと読ませていただきました。
この言葉がただの宣伝文句でないことは、読んだ方ならわかるんじゃないかな?と思います。
それくらい良い作品でした。

機会がありましたらぜひぜひ。

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