都議と元女優の夫婦が自宅で殺害され、火を放たれるという事件が発生した。
警視庁捜査一課の五代努は被害者周辺の人物をあたるが、捜査線上に浮かんできたのは、なんと一緒に捜査にあたっていた所轄の警部補・山尾だった。
『白鳥とコウモリ』に次ぐ「五代努シリーズ」第2弾!
東野圭吾さんの『架空犯』を読みました。
あらすじ
全焼した住宅から、この家に住む都議会議員の藤堂康幸と元女優で妻の江利子の遺体が発見された。
いずれも死因は絞殺で、江利子が無理心中を図ったように偽装された跡が残されていた。
警視庁捜査一課の五代努は、夫妻の関係者に聞き込みを行うが、捜査線上に浮上してきたのは、一緒に捜査にあたっていた所轄の警部補・山尾だった。
感想
Wikipediaを見ると、『白鳥とコウモリ』と併せて「五代努シリーズ」に分類されているのですが、『白鳥とコウモリ』がどんな話だったかさっぱり思い出せません。
また、五代努なんて人物がいたっけ?と思ったのですが、この作品を読むとかなり地味な役回り。
頭は切れるのですが、他に目立つ部分がないというか…
かなり早い段階から山尾が怪しいなぁと思ったり、そのあとも常に五代の1歩先を進んでいて、名探偵になった気分にさせてくれるのですが、それは東野圭吾さんの掌の上で転がされているだけだったことが判明。
このあたりの、気持ちよく読ませてくれるところがさすがだなぁと思いました。
最後はちょっとできすぎかな?と思ったのですが、五代の推理や説明を訊いていくと、偶然ではなく必然であったことが判明。
上手く纏め上げたなという印象を受けました。
この作品を読んでいるときに思い出したのが、『容疑者Xの献身』。
なぜなんでしょうね。かなり早い段階からこの作品のことが頭から離れなくなってしまいました。
東野圭吾さんの作品の中ではちょっと地味な部類に入るかもしれませんが、ミスリードも上手いですし、最後の推理の部分もさすがと思わずにはいられませんでした。
機会がありましたらぜひ。
コメント