【読書】杉井光『世界でいちばん透きとおった物語2』

杉井光 世界でいちばん透きとおった物語シリーズ └ 杉井光

連載途中で絶筆となったミステリの結末は?
2人組のミステリ作家・翠川双輔のプロットを担当していると言われていた菊谷博和が死亡し、月刊文芸誌での連載が打ちきられることになった。
読者だけでなく、作家仲間の間でも解決編を待ち望む声が聞こえたが、菊谷とコンビを組む宇津木静夫は菊谷なしに続きを書くことはできないと言う。

杉井光さんの『世界でいちばん透きとおった物語2』を読みました。

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あらすじ

翠川双輔の名前でミステリを書いていた2人組の作家の1人・菊谷博和が死亡し、月刊文芸誌で連載中の作品が絶筆になった。
長編1作、短編2作を書いただけの駆け出しの作家・藤阪燈真は、推理小説協会の事務仕事の一環として、喪主を務めた菊谷の姪・蔵石史香の家に弔問で訪れた際、史香の娘・琴莉と出会う。
琴莉は勉強部屋としてアパートの部屋を借りていて、近所に住む菊谷の家をよく訪ねていたという。
筆がまったく進まない燈真は、絶筆となった翠川双輔の小説の続きに興味を持つ。

感想

『世界でいちばん透きとおった物語』の続編です。

手に取って、まずはページをパラパラと…
やりますよねー やっちゃいますよねー

前作は作品全体に仕掛けられたギミックに圧倒されてしまい、内容はほとんど記憶になかったのですが、読みはじめるといろいろと思いだしてきました。
結構覚えているものですね。
ただ、編集社の深町霧子のことは思い出せず。こんな人いたかなぁ?と思うのですが、結構重要な役割を担っていたようで…

翠川双輔の連載中の小説が作中作として出てきますが、作中作って難しそう。
あたかも他人が書いたようにするには、自分のスタイルを変える必要があると思います。
下手に書くのは簡単かも知れませんが、設定では駆け出しの燈真よりもはるかに売れている作家の作品という設定。
器用な人なんだろうなぁと。

その燈真ですが、才能はあると思うのですが、謎を作る方ではなく、謎を解く方が向いているのかな?
エラリー・クイーンのように、プロット担当と執筆担当に分担すると上手くいくかもしれません。

燈真と霧子の仲は、端から見ていてもどかしく感じてしまいます。
燈真がまったくの鈍感というわけではないようなのですが…
この様子を見ていると、”次”もあるのかな?と、期待してしまいます。


コメント

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