【読書】呉勝浩『スワン』

呉勝浩 ├ 呉勝浩

大型ショッピングセンター「スワン」で、模造拳銃を使った無差別殺人が発生した。
死者21名。その中にコナガワ物流の社長・吉村秀樹の母・菊乃が含まれていた。
最上階のラウンジにいたはずの菊乃は、なぜか1階に停まったエレベータの入口でエレベータの中を向いて倒れていた。

呉勝浩さんの『スワン』を読みました。

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あらすじ

高校生の片岡いずみは、休日の大型ショッピングセンター「スワン」で、2人組の男性による無差別発砲事件に巻き込まれる。
最上階にあるラウンジに辿り着いたいずみだったが、犯人の1人がラウンジに上がってきて、いずみ以外全員に銃を向けた。
生き残ったのは、いずみの同級生で右目を打ち抜かれた小梢と無傷のいずみだけ。
いずみは、ほかの被害者を見捨てた人物として世間からのバッシングを受けてしまう。

感想

以前読んだ『爆弾』が面白かったので手に取ってみたのですが…
いまいちだったかな。

ラウンジに犯人の1人が侵入してきたあと、いずみは後頭部に拳銃を押しつけられた状態で、次に誰を殺害するか選ぶように犯人に言われます。
いずみがそれに応えることはないのですが、ちょっとした顔の動きなどを理由に、犯人はいずみが次の被害者を選んだとして、次々に射殺していきます。
結果、生き残ったのはいずみの同級生で右目を打ち抜かれた小梢と無傷のいずみの2人。

この状況で、いずみがほかの被害者を見捨てたとして、世間からのバッシングを受けるというのが理解できません。
じゃあ、どうしろと?
いずみも殺害されていたら良かったのでしょうか?
この部分が理解できなかったので、それを前提としたその後の話も理解できなくて…

事件のあと、被害者の1人である吉村菊乃が、ラウンジにいたはずにも関わらず、なぜ1階のエレベータの前で殺害されていたのかを調べるため、菊乃の息子で会社社長の吉村秀樹の命を受けた弁護士の徳下が開いた”お茶会”のメンバーの1人としていずみも参加することになりますが、この徳下、弁護士なのに弁が立ちません。
そこに何かあるのかなぁとも思ったのですが…

お茶会に呼ばれたメンバー1人1人がとった行動が組み合わさったとき、菊乃の悲劇に繋がってしまったのかな?とも思ったのですが、そうでもなく…

確かに、最後に予想外の展開が待っていたのですが、物足りなかったかなぁという印象が残ってしまいました。
いずみが世間からバッシングを受けてしまった理由が納得いくものであれば、もう少し印象が変わったのかも知れませんが…

コメント

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