【読書】乾くるみ『リピート』

乾くるみ ├ 乾くるみ

「今から約1時間後の午後5時45分に、地震が起きます」
突然かかってきた怪しい電話のとおり、午後5時45分に地震が発生した。
電話をかけてきた人物は、これまで何回も過去と現在を往復しているため、地震の発生時刻がわかるのだという。
そして今回、その”ツアー”に参加するメンバーを探しているのだという。
あなたなら、こんな怪しい誘いに乗りますか?

乾くるみさんの『リピート』を読みました。

あらすじ

「今から約1時間後の午後5時45分に、地震が起きます」
大学4年生の毛利圭介の家にかかってきた電話の相手は、突然地震の予測を行い、その通りの場所と震度の地震が発生した。
電話の主・風間は、現在の記憶を持ったまま、何度も過去に”リピート”しているのだという。
そして今回、毛利もリピートに参加してみないかと誘ってきたのだ。

感想

私の好きなジャンルの小説♪
リピートものというと、ケン・グリムウッドの『リプレイ』を真っ先に思い浮かべるのですが、この小説の中でも、しっかりと触れられていました。
『リプレイ』では、数十年前に戻りますが、こちらの作品で戻れるのはもっと短い期間。
短い期間といっても、2度目の1日1日は濃密なものになりそうです。

大学4年生の毛利は、リピートに向けて新聞の縮刷版の内容を記憶しますが、競馬の結果などはともかく、千代の富士の引退日とかを覚えてどう利用するつもりだったのかなぁ?と、謎の行動も…

ラストは、あっちに転ぶのか?こっちに転ぶのか?とヒヤヒヤさせておいてからの呆気ない幕切れ。
見事にしてやられました。

作品の中で、登場人物たちは9回目のリピートをR9、10回目のリピートをR10などと読んでいるのですが、それをRoot 9(国道9号線)と読んでしまう私は職業病なんでしょうね。

人生をもう1度やり直したいというのは私の願望なのですが、だれかこんなツアーに誘ってくれませんかねぇ。

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