近藤史恵さんの『茨姫はたたかう』を読みました。
あらすじ
書店で勤める久住梨花子は、女性専用マンションに引っ越したが、両隣の部屋は、ホストの男性と同棲している水商売の女性・礼子と、イラストやBLマンガを描いている早苗と、ちょっと変わったお隣さん。
さらに、郵便受けが荒らされた形跡があり、封書も1度開封された跡があったため、郵便受けに鍵をつけたところ、「やましいことがないなら、なぜ隠すの?」と書かれた紙が投函されていた。
翌朝、ぎっくり腰を起こした梨花子は、早苗から整体師の合田力を紹介される。
感想
「整体師〈合田力〉シリーズ」の2作目です。
患者を選ぶ整体師であることが災いして、凄腕なのにビルの屋上でひっそりと開業している合田。
雑誌社で働く小松崎の紹介から、早苗、梨花子と患者を増やしていきますが、まだまだ閑古鳥が鳴いている様子。
そんな合田にも治せない患者がいるんですね。と言われて返した「おれにできることは、治りたがっている身体を手伝うことだけや」という言葉。
なるほどなぁと思わされました。
たとえ風邪であっても、本人にその気がなければ治るものも治りませんもんね。
梨花子のストーカー話を中心に、人の輪がくるりとできあがった今回の話。
こういったところが近藤史恵さんのうまいところだよなぁと思いながら、心地良い読書をさせてもらいました。
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