【読書】東野圭吾『どちらかが彼女を殺した』

東野圭吾 加賀恭一郎シリーズ └ 東野圭吾

東野圭吾さんの『どちらかが彼女を殺した』を読みました。

広告
【広告】500万冊以上の電子書籍が読み放題『Kindle Unlimited』への登録はこちらから
広告

あらすじ

高校卒業後、愛知県の実家を出て東京へやってきた和泉園子に、年下の彼氏ができた。
しかし、親友の弓場佳世子に彼氏の佃潤一を紹介すると、佃は園子を捨てて佳世子と付き合うことに。
園子は兄の康正に、「お兄ちゃん以外、誰も信用できなくなっちゃった」と電話で言ったのち、連絡が取れなくなってしまった。
上京して園子の部屋に入った康正は園子の死体を見つけ、殺人だと確信するが、警察を呼ぶ前に自殺に見せかける細工を行い、自らの手で事件を暴くと決心する。

感想

「加賀恭一郎シリーズ」の3作目です。

以前読んだことがあったのですが、加賀恭一郎そのものを知らないときに読んだので、改めて「加賀恭一郎シリーズ」の1冊として読み返してみました。
すると、ずいぶんと印象が違う。
以前読んだときは、加賀恭一郎はほんの脇役といったイメージだったのですが、ずいぶんと重要な役割を演じていますね。

この作品、犯人が名指しされない犯人当てものになっています。
文庫版では、巻末に「推理の手引き」が用意されているので、それを読めばどちらが犯人だったかを推理することはできるのですが、なかなか難しい問題になっています。

他にも同様の作品はありますが、究極の「読者への挑戦状」ですね。

1回目に読んだときも犯人がわからなかったのですが、2回目の今回もわからず…
アレがキーポイントになっているんだろうなってところまではわかったのですが、その先の情報収集能力が足りていませんでした。
ちなみに、文庫化されるときに重要なひと言が削除されてしまい、問題が難しくなったそうです。

「加賀恭一郎シリーズ」の5作目として、『私が彼を殺した』があるのですが、こちらも犯人当てもの。
『私が彼を殺した』では、容疑者が2人から3人に増えています。
でも、こちらの犯人は私にもわかったので、難易度としては低いんじゃないかなぁと思うのですが、犯人がわかったからそう思えるだけでしょうか?

コメント

  1. 19580113-mh より:

    SECRET: 0
    PASS:
    こんにちは、coralさん。ミステリ好きの私としては、いつも楽しく、ワクワクしながら、coralさんのブログを拝読しています。
    東野圭吾さんの「どちらかが彼女を殺した」について、コメントしたいと思います。
    この作品は、事件自体には特別なトリックがあるわけではなく、容疑者も2人に限定されていますね。
    しかし、そのどちらが真犯人なのかは最後まで分からず、読者が自分できちんと推理しない限り、真相は明らかになりません。
    文庫版には巻末に「推理の手引き」が用意されていますが、これにしても、真相がはっきり書いてあるわけではなく、ヒントだけです。
    それにしても、こういう趣向は面白いですね。
    普段、自分がいかにいい加減に読んでいるのかを思って、少し反省してしまいました。
    加賀恭一郎と和泉康正の腹の探り合いがとても面白かったですね。
    和泉康正の頭の回転も凄いですが、加賀恭一郎の推理力もなかなかのものですね。
    しかも、全体の流れもテンポも良く、とても楽しめたのですが、最初の時点で、なぜ和泉康正が、捜査を妨害してまで自分で行動しようとするのかというのがなかなか分からず、すっきりしませんでした。
    その部分だけは、もう少し丁寧に書いて欲しかったなという気がしましたね。

  2. coral より:

    SECRET: 0
    PASS:
    >19580113-mhさん
    コメント&身に余るお言葉ありがとうございます。
    『どちらかが彼女を殺した』、『私が彼を殺した』は、謎解きが最後までなされていなくて、究極の推理小説といった感じですよね。
    英文学に詳しい姉に言わせると、向こうにはもっとメジャーな作品があるそうなのですが、東野圭吾さんのこの2作品も、十分に楽しめました。
    特に、『どちらかが彼女を殺した』は、文庫化されるときに本文中のヒントが削除されてしまったらしく、難易度が上がっているそうです。
    私自身、時間をあけて2回読みましたが、2回とも手がかりを掴めませんでした…
    和泉康正の心境、自分の手で妹の敵を取りたいというやつですね。
    これも、察しなさい。すべてが書かれているわけではありませんよ。という東野圭吾さんからのメッセージだったのでしょうか?(^^)

タイトルとURLをコピーしました