東野圭吾さんの『夢幻花』を読みました。
蒲生蒼太の一家は、七夕の頃に朝顔市を見て回ったあと、鰻を食べに行くのが年中行事になっていた。
蒼太が大学院生になって帰省したとき、実家の前に立つ二十歳前後の女性・秋山梨乃と出会う。
蒼太の兄・要介を訪ねてきた梨乃は、祖父の周治を亡くしたばかりだったが、祖父の家からは黄色いアサガオの鉢が消えていた。
滅びてしまった種であるとはいえ、黄色いアサガオだけでどうやって作品を組み立てるんだろうなぁ?と思いながら読んだのですが、半分くらいからは手を止めることができず、一気に読んでしまいました。
しかも、最後にあんな話やこんな話が繋がってきて、「おぉ!」と驚嘆の声をあげ続けていました。
客観的に見れば地味な話なのでしょうが、それを読者に読ませる力が東野圭吾さんにはあります。
最後の”驚きの展開”に繋げるあたりや、伏線の回収など、今回はいつも以上に感動させられました。
東野圭吾ワールドを堪能できる1冊だと思います。
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