東野圭吾さんの『虹を操る少年』を読みました。
白河光瑠は幼児期から記憶力や理解力に長けた子供だった。
特に突出した才能を見せたのは、色に関することで、3歳で買い与えられたクレヨンを使って、モノの色を正確に再現してみせた。
高校2年生になった光瑠は、夜中に家を抜け出すようになった。
親があとを着けていくと、建設中のまま工事がストップしているホールで、光と音のコンサートが開かれていた。
光瑠はこれを光楽と名付け、新たな世界を切り開こうとしていた。
この作品を起承転結の4つのパートに分けるとすると、起、承までは想像の範囲内。
しかし、転では思いも寄らぬ方向に話が転じることになります。
天才・東野圭吾が、天才・光瑠をどう描くのか、なかなか見応えのある展開でした。
結末は、あともう30ページ欲しかったかな。といった気分。
でも、その30ページを欲しがるのは、進化に置いて行かれた旧人類だからなのかなぁと思ってみたり…
ちょっと不思議な物語なのですが、光瑠が現実世界に現れないとも言い切れない、絶妙なラインを突いた作品でした。
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