人権派弁護士の鈴島薫と連絡がつかなくなった。
薫の兄・陽一は父・亮介が死去したため薫に連絡を取ろうとしたが、反応がない。
葬儀代を支払うために亮介の預金を引き出そうとすると、法定相続人全員の戸籍謄本と印鑑証明が必要になるという。
焦る陽一だが、薫の弁護士仲間たちもまた薫と連絡がつかなくなったことで騒ぎはじめていた。
太田忠司さんの『死の天使はドミノを倒す』を読みました。
あらすじ
落ち目の作家・鈴島陽一の父・亮介が死去した。しかし、弟の薫と連絡がつかない。
薫と亮介や陽一は絶縁状態にあったが、告別式にも顔を出さない弟にいらだちを覚える。
さらに、葬儀代を払うために亮介の預金を下ろそうとすると、法定相続人全員の戸籍謄本と印鑑証明が必要になるという。
陽一はなんとか薫と連絡を取ろうとするが…
感想
序盤の舞台を作りあげていく作業から面白いと思わせてくれる作品でした。
特に人目を惹く事件が起きるわけでもなく、印象的な記述があるわけでもないのに、なぜか惹きつけられてしまう出だし。
面白い小説というのはこういうものなのかなと思わされました。
行方不明になってしまった鈴島薫は、明らかな殺人(と思われる)事件を、過失致死にしようとしたり、心神耗弱を理由に無罪や減刑に持ち込もうとする人権派弁護士。
確かにそういう可能性がある以上、弁護が必要なのでしょうが、真実は神のみぞ知るといったところでしょうか…
終盤に明かされる謎の多くは前半で想像がついてしまったため、大きな驚きはなかったのですが、そこまでの持って行き方が上手いなと感じました。
欲を言えば、終盤まで想像がつかないように上手く隠してほしかったかな。
太田忠司さんの作品は、「オルゴール修復師・雪永綱シリーズ」に続いて3作目だったのですが、私に合っている気がするので、もう少し手に取って見たいと思います。




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