【読書】東野圭吾『片想い』

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東野圭吾さんの『片想い』を読みました。

あらすじ 

西脇哲朗は、学生時代のアメフト部の仲間たちと旧交を温めたあと、店の外でマネージャーだった日浦美月を見かける。
自宅に美月を案内したが、美月はホステスをストーキングする男を殺害してしまったと言う。
美月は性同一性障害で、男性バーテンダーとしてバーで働いていた。
同じくアメフト部の元マネージャーで、哲朗の妻の理沙子と哲朗は、美月を匿おうとするが…

感想

今では日常的に取り上げられるようになりましたが、この作品が書かれた頃(1999~2000年)はまだ、一部の人の問題として切り捨てられていたLGBTにスポットライトを当てた作品になっています。
今から20年以上も前にLGBTに着目したところはもちろんのこと、今読んでも違和感を感じない内容になっていることに驚きました。
私自身、知人にLGBTの人がいるので、世間一般の人よりも関心があるつもりでしたが、東野圭吾さんの勉強量には頭が下がります。

そしてもう1つ、この作品にはアメフトが使われているのですが、ただ単に珍しいスポーツを取り入れただけとか、哲朗たちの団結力を表すためだけではなく、ポジションやプレーの内容が作品に活かされています。
東野圭吾さんが学生時代にやっていたとされるアーチェリー(『放課後』)や、スキージャンプ(『鳥人計画』)、スキークロスカントリー&アルペン(『カッコウの卵は誰のもの』)など、ちょっとマイナーなスポーツが取り上げられることがありますが、どれもその時の気分で取り入れたのではなく、競技を深く勉強した上で書かれていることにいつも驚かされます。

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