【読書】東野圭吾『眠りの森』

東野圭吾 加賀恭一郎シリーズ └ 東野圭吾

東野圭吾さんの『眠りの森』を読みました。

あらすじ

高柳バレエ団の事務所に強盗が押し入ったが、ダンサーの斉藤葉瑠子が金属製の花瓶で頭を殴打し、強盗を死なせてしまった。
捜査にあたった加賀恭一郎らは、正当防衛ということで裏付け捜査を進めるが、バレエ団の公演のゲネプロで、バレエ・マスターの梶田康成が毒殺される事件が発生する。
さらに、ダンサーの柳生講介が命を狙われる。
そして、梶田の殺害トリックが見えてきた頃、被疑者として名前が挙がった森井靖子が自殺を遂げる。

感想

「加賀恭一郎シリーズ」の2作目となっています。
前作『卒業』できになった、加賀が教職から警察官へ進路変更をした理由はここでも語られず、ちょっとモヤモヤした気持ちが残ります。
まさか同姓同名?とまで考えましたが、物語の端々で語られるエピソードは『卒業』の加賀のものなので、やはり同一人物なのでしょう。

物語の方は、1つめの事件は正当防衛。2つめと3つめの事件は被疑者死亡という、地味な事件なのですが、これを飽きさせることなく読ませるテクニックはさすが。
ダンサーの浅岡未緒へのほのかな恋心が、読者をつなぎ止める一因でもあるのでしょうが、それだけではないはずです。

最後は、このタイミングで答え合わせをはじめるの?と、少々加賀の人格を疑ってしまいましたが、最後をあの場面にもっていくためのものだったと思うと、しかたなかったのかな、と。
ラストは、ミステリーらしからぬ、すばらしい仕上がりでした。

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