【読書】乾くるみ『カラット探偵事務所の事件簿 1』

乾くるみ カラット探偵事務所の事件簿シリーズ ├ 乾くるみ

1つめの謎は目次にあり。
所長とワトスン役の助手の、2人だけの探偵事務所に持ち込まれた6つの事件を収録。
「あなたの頭を悩ます謎を、カラッと解決いたします」
浮気調査や信用調査はお断り。謎解きを専門とする探偵事務所〈カラット探偵事務所〉ここに誕生。

乾くるみさんの『カラット探偵事務所の事件簿 1』を読みました。

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あらすじ

『File 1――卵消失事件』

〈カラット探偵事務所〉の扉を最初に叩いたのは、浮気調査を依頼する女性・秋山雪乃だった。
夫で専業作家の武雄(ペンネーム・三鷹空)が浮気を企てているようだという。
現在は専業主婦の雪乃は以前パソコンメーカーに勤めていて、消去したデーターの復旧などはお手の物。
去年それで痛い目に遭っているはずなのに、基本的に2人がいる自宅で、どのようにして浮気相手と連絡を取り合っているのか?

感想

本を開いてまず目につくのが目次。
6編の短編が収められた連作短編集なのですが、各短編には「File 1」、「File 2」…と順に番号がふられているのですが、なぜか「File 5」のあとが「File 20」!
理由を聞いてしまうと「なーんだ」となるのですが、もう1つカミングアウトがあって、この先どうなるんだ?と思えてきます。
本のタイトルが『カラット探偵事務所の事件簿 1』ですから、続編がありそうなのですが…(私がこの作品を読んだ時点で、3巻まで刊行されているようです)

主人公は探偵事務所の所長・古谷と、助手の井上。
事件簿を書いているのは井上という設定なので、まさにホームズとワトスンの関係ですね。
しかも、この古谷という探偵は仕事を選ぶ人で…浮気調査や信用調査の仕事は受けず、謎解きを専門にしています。
最近も、仕事を選ぶ探偵の話を読んだ気がするのですが、なんだったけなぁ(まぁ、小説ではよくある話ですが)。

全体的に軽めのタッチで描かれているのですが、特に前半の3編は、さらっと読んでいると謎解きのところで置いて行かれてしまいます。
難しい謎、トリックを創り出すのも大変なのでしょうが、同時にそれをわかりやすく説明するのも大変なんだろうなぁと。
乏しい想像力を最大限に発揮させながら読ませていただきました。

収録作品

『File 1――卵消失事件』の他に、『File 2――三本の矢』、『File 3――兎の暗号』、『File 4――別荘写真事件』、『File 5――怪文書事件』、『File 20――三つの時計』が収められています。

File 2――三本の矢

敷地面積800坪の藤村家の母屋に1本の矢が放たれた。さらに3日後、今度は東屋の壁にも…
幸助老人は県弓道連盟の支部長を務めていたが、車椅子生活になってからは、家の中の弓はすべて処分してしまったという。

File 3――兎の暗号

〈石原ホーム〉の元社長・卯吉が亡くなったあと、兎にまつわる3首の短歌が残されていた。
宝のありかを示していると思われるのだが…

File 4――別荘写真事件

ブティックの店員・安岡仁美の両親は離婚し、母はその後再婚したという少し複雑な家庭に育った。
その仁美の元に、実の父である佐伯健次郎を見たと、写真付きの手紙が送られてきた。
背景に写るコテージは、両親がはじめて会った場所と思われるが、写真を撮影した4日後に焼失していた。

File 5――怪文書事件

12棟、1棟50戸のマンモス団地で、〇〇〇号室の主婦が浮気しているとの怪文書が投函された。
投函されたのはA棟、J棟、C棟で、それぞれその棟に住む女性が名指しされていたが、犯人の目的とは?

File 20――三つの時計

古家と井上の同級生・時任早苗が結婚式を挙げた。
早苗の父・譲は、結婚相手の石川英尚が挨拶に来たとき、15時から販売するチーズケーキを持参したが、店から自宅までは車で1時間弱。しかし、その日バイパスは一部通行止めになっていたにも関わらず、16時に自宅に辿り着けた謎が解けないと言う。

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