アガサ・クリスティーの『五匹の子豚』を読みました。
久しぶりのアガサ・クリスティーです。3年ほど前に『アクロイド殺し』を読み直して以来かな?
アガサ・クリスティは中学生の頃に読み始め、一時期、図書館や同級生から借りて読んでいた記憶があります。
今回読んだ『五匹の子豚』はエルキュール・ポアロものなのですが、これまで耳にしたこともないタイトル。
内容は16年前に起きた殺人事件の真実を説き明かすというもの。
事件関係者への聞き込みや、事件関係者に書いてもらった回顧録が続き、正直退屈な話が続きます。また、訳者の桑原千恵子さんは私が生まれるよりも前の1971年にお亡くなりになっている方ですので、日本語の文章自体が古いということも読みにくさの一因かもしれません。現在は2010年に山本やよいさんの訳で出版されたものが発売されているようなので、また少し変わった感じになっているかもしれません。
ポアロへの依頼主は殺人罪が確定し、すでに亡くなっている女性の娘なのですが、関係者への聞き込みと回顧録まで読み進めただけでは他に犯人がいるとは思えません。
ひょっとして、真実は変わらなかったという結論になったりして、なんて考えも一瞬頭を過ったのですが、そこからが灰色の脳細胞の出番。
当てずっぽうでこの人が犯人かなぁ?と思いながら最後の謎解きを読み進めていくと自信がなくなって、また違う人かなぁと思うと自信が…
いやぁ、あの謎解きは読み応えがありました。読者の心をグラグラと揺さぶってくれます。これだけ計算され尽くした謎解きは他に無いのではないかと思うほど。
私にとってのベスト・オブ・クリスティです。人に勧めたくなる1冊ですね。
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