酒屋の店員を殴った傷害の罪で事情聴取をしていた男は、連続爆弾魔だった!?
男が”霊感”に従って出すヒントのとおりに爆弾が爆発していく。
警察は威信をかけて次の爆発を止めようと、男との駆け引きに挑むが…
呉勝浩さんの『爆弾』を読みました。
酒屋の自動販売機を破損させ、止めに来た店員を殴った容疑で警察署に連行された男。
スズキタゴサクと名乗る男は、突然、「10時ぴったり、秋葉原のほうで、きっと何かがありますよ」と言い出した。
スズキの予言通り、10時に秋葉原で爆弾が爆発。
スズキの”霊感”によると、爆弾はまだ3つ残っていると言う。
取調室の中で、少しずつヒントを出してくるスズキと、警察の頭脳戦が始まる。
お初の作家さんです。
7月に文庫化されたのと、続編の『法廷占拠 爆弾2』が発売されたことで、ふたたび注目を浴びているのを見て手に取ってみました。
結果から言うと面白い。
あらすじから見ると、スズキと取調官のヒリヒリするような頭脳戦なのかな?と思いましたが、実際はそこまでの緊張感はなく。
むしろ、積極的に読者を謎解きに加わらせる意図があるのかなと感じました。
また、多くの小説は最後の謎解きで真実が明らかになっていくのですが、この作品では、何が正解で何が間違っているのかが最後までわかりません。
誰の推理のどの部分が正解で、どの部分が間違っていたのだろうと、つなぎ合わせていく作業が必要です。
しかも、最後は不穏な終わり方。
おそらく、続編の『法廷占拠 爆弾2』に繋がっているんでしょうね。
こちらも読まなくては!
コメント