【読書】東野圭吾『クスノキの女神』

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東野圭吾さんの『クスノキの女神』を読みました。

 あらすじ

“クスノキの番人”をしている直井玲斗の伯母・柳澤千舟が、軽度認知障害にかかった。
同じような症状を持つ患者や家族らが集う認知症カフェで、玲斗は1晩寝ると前の日の記憶が消えてしまうという中学2年生の針生元哉と出会う。
一方、玲斗が管理を任されている神社に、詩集を置かせて欲しいと言う高校生・早川佑紀奈が現れる。
佑紀奈の詩を読んだ元哉は、それを1枚の絵に仕上げる。

感想

『クスノキの番人』の続編です。
前作は、クスノキに念を預け、受け取る人たちの物語になっていましたが、今回の作品は、クスノキが繋いだ人と人の縁の話になっていると言えば良いでしょうか…
もちろんクスノキの力も借りながらなのですが、より人と人のつながりにフォーカスされているように感じました。

早川佑紀奈の詩と、それを絵にした針生元哉が協力して、詩から物語へと発展させていくのですが、この作品がまた良い。
本当に児童書にしても良いんじゃないかと思うくらい。
それでいて、大人が読んでも面白く、深い作品に仕上がっています。

ラストの満月の夜のクスノキでの出来事については、ちょっと不満。
結論を丸投げしちゃったように感じてしまいました。
それが幸せだったという考え方もあるのでしょうが、読んだときには不満の方が先に出ちゃったかなぁ。
決して悪い終わり方ではないんですけどね。

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