小路幸也さんの『ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード』を読みました。
あらすじ
『春 花も嵐も実の生る方へ』
古書店〈東京バンドワゴン〉が、かつて1度だけ作ったことがある目録、通称〈呪いの目録〉のことを探って回っている男がいると、東京古本組合の大沼岩男が教えに来てくれた。
一方、亜美の義妹で女優の折原美世が、役作りのために蜷川女子大学で見た資料の中に、〈東京バンドワゴン〉創設者の堀田達吉の名前があったのだが、その資料が紛失してしまったという。
感想
「東京バンドワゴンシリーズ」第11弾です。
前作『ヒア・カムズ・ザ・サン』で、〈呪いの目録〉を探していた男の話が、ここに繋がったといった感じでしょうか。
それにしても、交友関係の広い堀田家。
大家族ということもありますが、良い人の周りには良い人が集まってくるということですかね。
それにしても、蜷川女子大学に収められていた資料の中に、堀田達吉の名前があったのが気になります。
そのあたりの謎は、今後解き明かされていくのでしょうか?
ちなみに、個人的には最後の話(表題作)が好きでした。
『春 花も嵐も実の生る方へ』の他、『夏 チャーリング・クロス街の夜は更けて』、『秋 本を継ぐもの味なもの』、『冬 ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード』が収められています。
『夏 チャーリング・クロス街の夜は更けて』
100年ほど前にアレックス・ワーナーという人物が書いた『confession』という私家版の本に、英国王室のスキャンダルが載っており、それを秘密情報部の人物が追っているという。
そして、その本を日本に持ち帰ったのが、堀田草平だった。
『秋 本を継ぐもの味なもの』
かんなと鈴花の幼稚園の友達・伊勢谷六花が、祖母の家で祖父の幽霊を見ると言い出した。
本の買い取りを名目に、紺と研人が六花の祖母の家を訪れるが…
『冬 ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード』
作詞家、作曲家として印税を稼ぐようになり、バンド活動でも有名になってきた研人を、ネット上でディスったり、ガールフレンドの芽莉依の隠し撮りがSNS上に拡散されるようになってきた。
そして、祖父のバンド・LOVE TIMERのTV生出演の日が近づいてくる。
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