竹本健治さんの『涙香迷宮』を読みました。
あらすじ
明治時代の探偵小説作家・黒岩涙香の隠れ家が見つかった。
その発掘作業に、棋士の牧場智久とその友人・武藤類子が立ち会うことになった。
地下には広間のほか12の部屋があり、各部屋にはいろは四十八文字を1度ずつすべて使う〈いろは歌〉が4つずつ飾られていた。
一方、対局のために1度発掘現場を離れた智久は、ふたたび発掘現場を訪れる際に落石に遭い、危うく命を落としかける。
感想
私好みの作品ではなかったなぁという印象。
パズルや古典が好きな方にはたまらないのでしょうが、私は〈いろは歌〉を1つ1つ追っていく忍耐力もありませんし、語学力もないときているので、少々苦痛な時間。
まぁ、そのあたりはさらっと読み流して…
Amazonであらすじを見ると、「言葉のミステリー」という紹介のされ方がしてありますが、まさにそんな感じ。
犯人が誰とか、そういったことは2の次、3の次なんですよね。
日本語力に自信のある方、暗号の好きな方なら、充分に楽しめるのではないでしょうか。
黒岩涙香の作として、多くの〈いろは歌〉が出てきたり、詰連珠が出てきたりするのですが、これは誰が作成したものなのだろうか?という疑問が残りました。
参考文献などが記載されていないようなので、すべて竹本健治さんが作られたのでしょうか?
だとすると、小説の小道具を作るのに、とんでもない時間を費やしたことになると思うのですが…
〈いろは歌〉に関する知識も、黒岩涙香に関する知識も持ち合わせていないので、充分に楽しむことができなかったかなと、ちょっと残念に思ったりしています。
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