米澤穂信さんの『犬はどこだ』を読みました。
あらすじ
紺屋長一郎は、犬探し専門の調査事務所〈紺屋サーチ&レスキュー〉を開設するが、開設から2日で2件の依頼が入った。
1件は失踪した佐久良桐子を探しだして欲しいという祖父からの依頼。もう1件は神社に伝わる古文書の解析依頼。
探偵に憧れる高校の後輩・ハンペーこと半田平吉と手分けし、さっそく調査に当たるが、桐子は過去に神社の古文書を調べた経歴の持ち主だった。
感想
長一郎が佐久良桐子の失踪事件を、ハンペーが神社の古文書解析を担当するのですが、長一郎は自分が担当する事件の内容をハンペーに伝えていなかったため、ハンペーが佐久良桐子という名前にぶつかったときも、そのままスルーされてしまいます。
ここからすれ違いコントのようになるのかな?と思ったのですが、ハンペーの調査の方では、その後桐子の名前が出てきません。
すれ違いコントのような表面的な面白さではなく、もっと深い場所に事件の鍵が隠されていました。
終盤の、伏線を回収しながら新たな展開に持ち込んでいく様は、さすがだなぁといつもながらに感心させられました。
本に記されたあらすじでは、「私立探偵・紺屋、最初の事件」とあり、「〈S&R〉シリーズ」として続編が予定されているそうですが、現在のところ刊行されているのはこの1作のみだそうです。
脇を固めるキャラクターも魅力たっぷりですので、首を長~くして続編を楽しみにしていたいと思います。
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