事故物件に1ヶ月入居することで、次の借主に事故物件であることの告知義務をなくす”ルームロンダリング”。
そのルームロンダリングを行う”影”と呼ばれる人々や紹介する不動産屋。
失踪した人を探す会社〈失踪ドットコム〉など、事故物件にまつわる8つの作品からなる連作短編集。
原田ひ香さんの『事故物件、いかがですか? 東京ロンダリング』を読みました。
あらすじ
うちの部屋で人が死んだら
義父から譲り受けたアパートの一室で人が亡くなった。
事故物件であることを次の借主に告知する必要があるため、家賃を下げるか、アパートを取り壊して駐車場にすることを提案される。
そして、不動産屋が持ってきたもうひとつの資料にない提案は、”影”と呼ばれる人に1ヶ月入居してもらい、事故物件の告知義務から逃れる方法だった。
感想
『東京ロンダリング』の続編です。
書き下ろし単行本『失踪.com 東京ロンダリング』として刊行されたものを、文庫化の際に改題されました。
前作『東京ロンダリング』の感想で、ルームロンダリングについて真剣に考えた記憶があるのですが、なんと、このルームロンダリングは原田ひ香さんが考えられた架空の事象だったんですね。
あまりのリアルさに、すっかり騙されて(?)しまいました。
でも、こんな仕事、あっても不思議じゃないんだけどなと、今もなお半信半疑だったり。
話の内容は、『東京ロンダリング』が比較的ストレートだったのに対し、この作品は少し複雑で、自分の記憶がついていかないところがありました。
前作を思い浮かべながら読んだので、ちょっと戸惑ったかな。
単純な面白さを求めるなら前作の『東京ロンダリング』を、さらにその先をもっと広い視点から見てみたいという方は、前作に続き、本作を読むことをお勧めします。
収録作品
『うちの部屋で人が死んだら』のほか、『君に栄光を捧げよう』、『幽霊なんているわけない』、『女が生活保護を受ける時』、『地方出身単身女子の人生』、『失踪、どっと混む』、『昔の仕事』、『大東京ロンダリング』が収められています。
君に栄光を捧げよう
田中の会社の同期・皆川は、事故物件に住む”影”をしていた。
その皆川が住んでいる部屋に以前住んでいたのは、偶然にも田中の高校時代の先輩だった。
幽霊なんているわけない
自らの浮気が原因で、着の身着のまま家を追い出された鎌田は、格安物件を探し求めるうちに、事故物件に辿り着く。
しかし夜になると、幽霊が訪ねてきて…
女が生活保護を受ける時
生活保護を受けていても住める価格の住宅を探しに相場不動産を訪ねた小石川君江は、家賃がゼロの上、1日5千円の報酬が出る”影”の仕事を紹介される。
地方出身単身女子の人生
相場不動産に勤めるまあちゃんの半生を纏めて、授業などで使いたいと、社会学者の遠藤が依頼してきた。
まあちゃんの半生を訊いた遠藤は、将来について尋ねてくるが…
失踪、どっと混む
失踪者を探す会社〈失踪ドットコム〉の仙道は、相場不動産の相場を相手に、会社を立ち上げた理由を語る。
昔の仕事
かつて”影”をしていたりさ子のもとに、相場から人が足りないので一時的に前の仕事をして欲しいと依頼が入る。
大東京ロンダリング
大都市東京でルームロンダリングに携わった人たちの現在と未来とは…




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