名刺代わりの10冊

名刺代わりの10冊 オススメ10冊 ◇◆◇オススメの〇冊◇◆◇

私がこれまで読んできた本の中でも、これだけは譲れない!という10冊を集めてみました。
ここにあげた10冊は、オススメの中のオススメ。ぜひ読んでいただきたい作品です。
それと同時に、私の好みを反映したリスト。ある意味、自己紹介よりも私の人となりを表しているかも知れません。

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coralの名刺代わりの10冊

佐藤さとる『だれも知らない小さな国』

小学3年生だったぼくは、自分だけの場所を探して、三角平地を見つける。
そこでふきをとっていたおばあさんから、ここには小人が住んでいるという話を聞く。
そして夏休みのある日、女の子が川に落とした靴を追いかけていくと、靴の中から数人の小人がぼくに向かって手を振っていた。
夜間の専門学校に通い出すと、ぼくは三角平地に隣接する小山を将来売ってもらうように、地主と約束を交わす。

主人公の”ぼく”が、小指ほどしかない小さな人「コロボックル」たちと繰り広げるファンタジー。初めて読んだのは小学校の中学年の頃だと思いますが、その頃は小人が出てくる”水戸黄門”のような物語のような印象を受けたのですが、思春期を迎えると一転、ラブストーリーとしての一面が見えてきます。さらに、大人になってから読むと少年時代に戻ったようで心が洗われたような気分に。そして、わかっているのに最後の場面で胸がキュンとなってしまいます。
また、自分の周りにもこんな小人たちがいやしないかと真剣に探し回ったものです。いて欲しいと願っているのは今でも変わりませんが…
人生の節々に読みたくなってしまう、私が1番好きな本です。

東野圭吾『容疑者Xの献身』

花岡靖子と娘の美里は、アパートの部屋を訪ねてきた元夫・富樫慎二と争いになり、炬燵の電源コードで絞殺してしまう。
異変を聞きつけた隣室の数学教師の石神は、死体の処分と事件の隠蔽を買って出る。
容疑者として上がった靖子の、崩せそうで崩せないアリバイ…
事件を担当する草薙刑事から、石神が帝都大学の卒業生であることを聞いた物理学者の湯川学は、かつての好敵手の部屋を訪ねる。

「ガリレオシリーズ」の第3弾です。
富樫殺害後、ビクビクしながら生活している靖子と美里のアリバイが崩せそうで崩せない。そこに石神が仕掛けた完全犯罪のトリックが隠されています。
最後に解き明かされる驚愕のトリック。その美しさに思わず惚れ惚れとしてしまいました。
これまで読んできた本の中で、もっとも印象に残っているトリックです。

ジェフリー・アーチャー『誇りと復讐』

自動車修理工のダニーは、雇い主の娘ベスへのプロポーズを成功させる。
ここにベスの兄でダニーの親友であるバーニーが加わり、パブで酒をのみ交わすが、近くのテーブルで酒を飲み交わしていた4人組の著名人、法廷弁護士のスペンサー、俳優のラリー、不動産屋のジェラルド、トビーが絡んできて喧嘩に発展。バーニーが殺されてしまいます。
しかし、逮捕されたのはダニー。法廷でも社会的地位のある4人組の証言が採用され、ダニー殺人罪で有罪となってしまう。
22年の刑で収監されたダニーは、貴族の若者ニックと、巨漢の男ビッグ・アルと同房となるが、このニックが1度狂ったダニーの人生をもう1度ひっくり返すことに。

逆転に次ぐ逆転の物語なのですが、特に最後のシーンは何度読んでも面白いです。このシーンを読みたくて何度も読み直したほど。
専門用語やまどろっこしいやり取りがあっていつも眠くなる法廷シーンですが、ジェフリー・アーチャーのそれはいつも飽きずに楽しく読むことができます。
はじめは冤罪事件に巻き込まれる重っ苦しい話なのですが、中盤以降はジェフリー・アーチャーの見事なストーリー展開に惹き込まれてしまいます。

横山秀夫『クライマーズ・ハイ』

群馬県の地方紙『北関東新聞』の遊軍記者・悠木和雅は、親友で同僚の安西耿一郎と、長い年月未登の岸壁だった衝立岩にチャレンジする約束をしていた。
しかしその前夜、日本航空が運行する東京発大阪行きのジャンボジェット機123便が群馬、長野、埼玉の県境付近で消息を絶った。
この一報を受け、悠木は全権デスクに任じられる。
次々と入ってくる情報、記者の派遣、他部門との調整…
悠木は自らの信念に従って責務を果たそうと奔走する。

毎年お盆の頃になるとニュースで流れる御巣鷹山での日航機墜落事故。
この事故をベースに、架空の地方新聞社の内部を描いた作品になっています。
作者の横山秀夫さんが、この頃群馬県の地方新聞社『上毛新聞』で記者をされていたと聞いて、リアルさの一因を理解することができました。
作品の中で悠木が考えていたことは、横山秀夫さん自身の思いだったのかな?
「大きい命と小さな命」の話とか、「新聞紙ではなく新聞を作りたい」という話など、様々な思いが伝わってきました。
こんな小さな本から飛び出してくる迫力、緊張感…
小説を読んでいて、こんな圧迫感を感じたのは初めてでした。

愛野史香『あの日の風を描く』

美大の油画科を休学中の稲葉真は、江戸時代に祇園で書画屋を営んでいた日下部家に残る襖絵の復元模写制作を手伝うことになった。
襖絵を描いたのは、父が狩野派を破門された清原雪信の娘・平野雪香。
日下部家の蔵に保管されていた襖絵は、シミや退色、破れなどが酷く、枚数も足りない。
真は保存修復研究領域の修士二年生、土師俊介と蔡麗華とともに、作業をはじめる。

修復模写を行うためには、襖絵が置かれていた場所や環境を理解し、絵師の気持ちになりきり、筆さばきを再現する必要が…
さらに、欠けているところに何が書かれていたかを想像し、再現する作業も、答えがないだけに難しい作業です。
特に、夏の襖に描かれていた鳥と、その姿勢について解を示されたときには、解釈が見事すぎて思わず声が出てしまいました。
最後に12面の襖絵が完成したときには感動。
完成した絵が脳裏に浮かんだわけでもなく、頭の中は空っぽなのですが、それまでの苦労や努力が形になったということで、目に見えないものに圧倒されてしまいました。

小坂流加『余命10年』

――あと10年しか生きられないとしたら、あなたは何をしますか。
長いと思い悠然と構えられますか。短いと思いかけ出しますか。――
高林茉莉は、20歳の時に難病を罹った。
治療薬は見つかっておらず、10年以上生きた患者は存在しない。
残された10年を好きなことにつぎ込んでいくうちに、死の恐怖から少しずつ逃れられるようになるが、30歳までしか生きられないという足かせが、茉莉を縛り付ける。

実際に難病に冒された著者が、余命を注ぎ込んで書き上げた1冊。
「10年も」と考えるのか「10年しか」と考えるのか…
自分が生きた証を残せる時間はあるものの、恋だとか結婚だとかといったことには二の足を踏んでしまう。
茉莉はほとんどの時間、充実した時間を過ごしていて、とてもポジティブ。でも、時折余命が頭をよぎってしまう、そんな生活を送っています。
自分だったらどうするだろうなぁと考えると、茉莉のように充実した生活はおくれなさそうな気がしてなりません。
作者の小坂流加さんは、難病の原発性肺高血圧症で、38歳で亡くなられたそうです。
自らを茉莉に投影していたのかな?と思うと、泣けてきそうになってしまいます。
自らの病気があったので、ポジティブな作品になったのかな?と思うと、また胸にこみ上げるものがありました。

才羽楽『カササギの計略』

大学生の岡部が、講義とアルバイトを終えてアパートへ戻ると、部屋の前に女性がしゃがみ込んでいた。
「どちらさまですか?」と訊くと、「ミシェル」という答えが。それでもわからないでいると、突然平手打ちが飛んできた。
華子と名乗る女性はそのまま押し入るように部屋へ入ってきて、奇妙な共同生活が始まった。
華子は、発病すると決して治癒しないという難病に冒されていて、残り少ない時間を、かつての約束を果たすために会いに来たと言う。

久しぶりに小説を読んで泣くかも!と思いながら読んでいましたが、最後にこの作品がミステリである理由が明らかに。
そのまま泣かせてくれたら良いのに!と思いながらも、やっぱりそこに隠された謎が気になってしまうのでした。
最後も上手く纏められていて、読み心地は非常に良かったです。
これって、逆恨みだろうとか、伏線が見え見えという部分もありましたが、それ込みでも面白い作品でした。

下村敦史『同姓同名』

16歳の少年が、6歳の少女をめった刺しにして殺害する事件が発生した。
犯人の名前を、一部の週刊誌と生放送のワイドショーが「大山正紀」と発表したことで、同姓同名の大山正紀の人生が狂いはじめる。
サッカーでスポーツ推薦が決まっていたのが白紙に戻ったり、内定をもらっていた会社から内定の取り消しを受けたり…
大山正紀たちは、被害者の会を立ち上げ、真犯人の大山正紀の顔を世間にさらすことで、自らの無関係を証明しようと動き出す。

なんと、主要登場人物のほとんどが「大山正紀」という、挑戦的な作品。
普通なら、この大山正紀がどの大山正紀なのか、ごっちゃごちゃになりそうなところですが、それを見事に書き分ける素晴らしさ!
「大山正紀」が10名ほど出てくるのですが、巧みな記述と、隠れた背景によって、あっと言わされるのではないでしょうか。
数十年前であれば、人間関係が基本的にご近所さんに限られていましたので、収監されているはずの時期に世間に顔を見せていれば、他人であることが証明できますが、昨今のインターネットが発達した時代では、日本中、場合によっては世界中から名前を検索されてしまうので、誤った情報が氾濫してしまう恐れが…
そんな危険性を描いた1冊になっていると感じました。

東川篤哉『交換殺人には向かない夜』

烏賊川市内に探偵の鵜飼杜夫は、事務所のオーナーの二宮朱美とともに、咲子の夫・晴彦が浮気をしているかどうかを調査するため、猪鹿村にある善通寺邸に使用人として潜入する。
咲子が同窓会のために家を空けた夜、晴彦は庭を掘り返したあと頭を抱えて叫び声を上げたのち、邸から出て行ってしまった。
一方、烏賊川市内では、女性の刺殺体が見つかる。刑事の志木は上司の砂川警部、和泉刑事とともに捜査にあたるが…

「交換殺人」とタイトルにあるように、交換殺人が行われるわけですが、そこは東川篤哉さん。単純な事件ではありません。
3人の美女に引っ張り回され、最後にすべてが繋がるまではぐらかされる…
初めて読んだ時は何が起きているのか本当にわかりませんでしたが、繰り返し読むと確かに伏線が張り巡らされているんですよね。
これぞ東川ワールドだと思いました。

赤川次郎『三毛猫ホームズの推理』

羽衣女子大に通う3年生の栗原由美子が殺害された。どうやら売春行為中に刃物で全身をめった刺しにされたらしい。
血を見ると貧血を起こし、高い所と女性が苦手という警視庁の刑事・片山義太郎は、三田村捜査一課長の特命を受け、羽衣女子大に巣くう売春組織の調査に乗り出す。
しかし、三田村に相談を持ちかけた森崎学部長が、密室となった工事現場の食堂の中で殺害されてしまう。
森崎の飼い猫だったホームズを連れ、片山は事件の謎に迫る。

「三毛猫ホームズシリーズ」の第1作です。
ミステリーとして見たとき、ストーリーの中心にあるのが密室殺人です。
森崎学部長が工事現場の食堂の中で殺害されるのですが、赤川次郎さんはこの密室の解を2つ用意しています。1つ目の解を見て「なるほど」と思うのか、「こんなもの」と思うのかは人それぞれだと思いますが、それを見越して用意してある2つ目の解にギャフンと言わされてしまいます。
密室トリック以外にも、片山の甘酸っぱい恋物語やホームズの活躍など、見所たっぷりの作品となっています。

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