【読書】石持浅海『殺し屋、続けてます。』

石持浅海 殺し屋探偵シリーズ ├ 石持浅海

小さいながらも個人事務所を持つ経営コンサルタント業を営む富澤充は、お金のやりくりに困ったことがない。
なぜなら、殺し屋を副業としているからだ。
殺し屋の仕事はコンスタントにやってくるが、不可解な標的の行動や、依頼者の”オプション”に興味を惹かれてしまう。
感情移入してしまうと仕事をやりにくくなるが、ついつい不可解な行動の謎に挑んでしまう。

石持浅海さんの『殺し屋、続けてます。』を読みました。

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あらすじ

まちぼうけ

副業として殺し屋をしている経営コンサルタントの富澤充に、殺人の依頼が来た。
ターゲットは21歳の大学生・高松桃華。
桃華は平日の夜、6時から9時までの間、駅前の交番の傍らに立って誰かを待っている様子だが、たまにスマートフォンの画面に目を落とすだけで、9時になると大きなため息をついてその場を離れる。

感想

『殺し屋、やってます。』の続編です。

プロの殺し屋という設定も面白いですし、1編の長さもちょうど良く、好きなシリーズです。

どうやって殺害するかというところに重点は置かれておらず、ターゲットや依頼人の不可解な言動の謎を解くというところがメインになっています。
ただ、その謎解きがちょっと複雑で、ぼやっとしていると置いておかれてしまうというのが玉に瑕でしょうか…
もう少しスカッとするような答えが用意されていると読みやすいのですが。

いつもどおり(といってもまだ2冊目ですが)、富澤が引き受けた仕事の話ではじまるのですが、突然富澤に殺人の依頼が入らない話が出てきます。
どうなるんだろう?と思いながら読んでいると、思わぬ展開が。
なるほど。そう来ましたか。

依頼人と富澤の間に代理人を2人置くことで、依頼人側の代理人である”伊勢殿”は富澤のことを知らないので、依頼人に富澤のことを話すことはない。
また、富澤側の代理人である塚原は依頼人を知らないので、富澤に依頼人のことを話したくても話せない。
うまい仕組みを取り入れているのですが、実際に殺害を実行する富澤もリスクが高いですが、仕事を探してくる”伊勢殿”もリスクが高く、大変なような…
いったい、どうやって仕事を探してくるんでしょうね?

現在までに、もう1冊出ているようなので、そちらも手に取ってみたいと思います。

収録作品

『まちぼうけ』のほか、『わがままな依頼人』、『双子は入れ替わる』、『銀の指輪』、『死者を殺せ』、『猪狩り』、『靴と手袋』が収められています。

わがままな依頼人

オプション付きの殺人依頼が来た。
駐車場でターゲットを殺害してほしいという依頼だったが、人目があるため富澤は仕事を断る。
すると、今度は弓矢かボウガンで殺害してほしいと、殺害方法を変更してきた。

双子は入れ替わる

富澤の恋人で漫画家の岩井雪奈が、いつものファミレスでネームを切っていると、アルバイトの来島が双子で、月水と火木のシフトに入っている来島は別人であることに気がついた。
ある日、月水の来島さんの様子がおかしくなる。

銀の指輪

ターゲットの若木佑馬は、会社員で既婚。
しかし、時々会社帰りに浮気相手と会っているのだが、浮気相手と会うときだけ、普段つけていない結婚指輪を左手の薬指につけている。

死者を殺せ

富澤に新たな殺人の依頼が来たが、調べてみるとターゲットは2年前に死んでいた。
依頼人にそれを伝えると、別の人物の殺害を依頼されたが、この人物も1人目のターゲットと同じ事故で死亡していた。

猪狩り

ベンチャー企業の社長・榎は、一緒に起業した副社長の加山の殺害を依頼する。
榎が知らないところで、会社が持っている特許の周辺特許の出願を計画していることから裏切りを怪しんだためだったが、殺し屋の代理人からは、もし計画を中止するのであれば可能な限り早く連絡して欲しいと言われる。

靴と手袋

新しいターゲットの小橋朱美は、霊感商法で稼いでいる団体のメンバー。
その団体が入っているビルに向かう途中、朱美はパンプスとストッキングを脱ぎ、ビーチサンダルに履き替える。
そして、ビルの手前でまたストッキングとパンプスに履き替えてビルに入っていく。

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