オシャレでキュートな女の子・キリコが選んだ職業は清掃員。
部屋中が綺麗になっていくのが好きらしい。
今日も英会話教室やコワーキングスペースなどの掃除に精を出す。
しかし、そんなキリコのもとに不幸の連絡が舞い込む。
故人から誤解を受けていたことを知ったキリコは精神的にショックを受け、仕事を休んで部屋に閉じこもる。そして、旅に出ることを選択する。
「清掃作業員探偵キリコシリーズ」最終巻。
近藤史恵さんの『モップの精は旅に出る』を読みました。
あらすじ
『深夜の歌姫』
英会話教室で事務員として勤める戸波翔子のもとに郵便物が届いた。
中に入っていたのは婚姻届。妻のところは空欄で、夫の方には中沢達紀と書かれていた。
さらに、「戸波さん、あなたにプロポーズします。ここにサインをしてください。中沢」というメモまで…
中沢はスクールに通う生徒の1人だが、カウンセリングで1度話したことがある程度の仲。
自宅の鍵を忘れたのに気付いて深夜の職場に舞い戻った翔子が見たのは、楽しそうに掃除をするキリコの姿だった。
感想
「清掃作業員探偵キリコシリーズ」の第5巻。かつ、最終巻です。
第1巻の『天使はモップを持って』では、清掃作業には不似合いな服装をした、ギャルっぽい女の子が出てきたと思ったのですが、掃除が本当に好きで、技術も兼ね備えている。しかも、頭脳明晰ということで、どんどん見る目が変わっていきました。
今回はそんなキリコの物語の最終話。
『ラストケース』の中で、「もう老犬になっていつも寝てばかりいる兄やん」という記述が出てきて、「あれ?兄やんは猫のはず…」と、何か仕掛けがあるのかと勘ぐりましたが、単なる誤記だったようです。
単行本の初版で読んだので、今は直っているかな?
キリコシリーズの最終話。そして、本のタイトルが『モップの精は旅に出る』なので、キリコがどこかへ旅だってしまって、帰ってこなくなってしまうんだろうか?と思いながら読んだのですが、最後はキリコらしいものになっていました。
個人的には、これを最終話とせず、もっともっと続けて欲しいのですが…
収録作品
『深夜の歌姫』のほか、『先生のお気に入り』、『重なり合う輪』、『ラストケース』が収められています。
先生のお気に入り
翔子が勤める英会話教室にはラウンジがあり、1日券を購入することで外国人講師や他の生徒と英会話を楽しむことができる。
しかし、ハンサムな人気講師の”ファンクラブ”に割って入る女性が1人現れ…
重なり合う輪
同じ大学出身の5人が共同で借りているコワーキングスペースで、イラストレーターの畠山治人が倒れた。
糖尿病による発作のようだが…
ラストケース
キリコの姉・奈々がくも膜下出血で急逝した。
キリコが奈々の夫が浮気していることを助言し、奈々は離婚していたが、元夫とキリコが浮気していたと思い込まされていた。
それを知ったキリコは旅に出る…
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