【新刊】[文庫化]中山七里『棘の家』

新刊 中山七里 └ 中山七里

4/25、角川文庫より、中山七里さんの『棘の家』が発売されました。

「クラスでイジメが起きています」
中学教諭の穂刈は、生徒から担任するクラスでイジメが起きていることを訴えられるが、事なかれ主義でうやむやな態度を取り続ける。
そんな中、穂刈の小学6年生の娘が、イジメを苦にして自殺未遂を図る。
妻は加害児童に対する復讐を誓い、息子からは責められ…

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概要

家族全員、容疑者。人間の裏の顔を描く家族ミステリ。

穂刈は、クラスで起こるいじめに目を逸らすような、事なかれ主義の中学教師だった。
しかし小6の娘がいじめで飛び降り自殺をはかり、被害者の親になってしまう。
加害児童への復讐を誓う妻。穂刈を責める息子。家庭は崩壊寸前だった。
そんな中、犯人と疑われていた少女の名前が何者かにインターネットに書き込まれてしまう。
追い込まれた穂刈は、教育者としての矜持と、父親としての責任のあいだで揺れ動く……。

ひとこと

私は単行本で読んだのですが、なかなか重い作品。

私自身が小学生、中学生だった時もそうですし、息子たちが学校に通っている今も、イジメというのはなかなか難しい問題。
私が小学生、中学生だったときは、穂刈のように事なかれ主義を敷く教師が多かったように思います。
現在は、膿を出しきるというのが教育委員会の表向きの方針のようですが、実際にどれだけ表面化しているのかはよくわかりません。

今の子供たちは、他人に無関心になりつつある気がするのですが、イジメは減っているのでしょうか?

さいわい、イジメはなかったですが、長男が中学1年の3学期に学級崩壊のような状態になってしまい、かなりストレスを溜め込んでいたのを覚えています。
その時の担任の先生は、今年の春、無事長男らを中学から送り出してくれました。
卒業式で生徒の名前をひとりひとり読み上げるときに感極まってしまい、声を振り絞っていたのが印象的でした。
中学の担任って、自分が授業を受け持つ時間はほんの一部なので、担任にできることは限られていると思います。
しかも、若い女性の先生となると、他の先生たちは文句を言いやすかったでしょうし。
それでも2年から学年を立て直した学校の先生方には頭が上がりません。

話が横道にそれてしまいましたが、学校におけるイジメについて、被害者、加害者双方の側から真剣に向き合った作品になっていると思います。

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