「アル中分科会」
大学の軽音楽部の中で、酒好きな6人の集まりにつけられた呼び名だが、大学卒業以来初めての同窓会が開かれることになった。
場所は、メンバーの1人の兄の休業中のペンション。
再会を分かち合ったその日の夜、伏見が完全犯罪を目論んで新山を殺害するが、「アル中分科会」メンバーの1人である玲子の妹で、特別に参加していた碓氷優佳が伏見の前に立ちはだかる。
石持浅海さんの『扉は閉ざされたまま』を読みました。
あらすじ
大学の軽音楽部内の有志が集まった通称「アル中分科会」の同窓会が、休業中の安東の兄のペンションで開かれた。
その最中、伏見亮輔は新山和宏を殺害する。
部屋を密室にした完全犯罪。
しかしその前に、礼子の妹で、当時高校生だった碓氷優佳が立ちはだかる。
感想
お初の作家さんです。
伏見が新山を殺害する様子からはじまる倒叙形式の作品。
新山が事故死だと見せかけることに苦心するとともに、発見時刻をできるだけ遅らせようと伏見は画策します。
早く見つかると、死亡推定時刻の幅が狭まり、都合が悪いのか?と、なぜ発見時刻を遅らせようとするのか悩みながら読み進めることになりますが、そこには大きな理由が。
はたしてそこまでする必要があったのかと思いますが、そもそも殺人を犯すくらいですから、伏見にとっては必要だったのでしょう。
探偵役となった碓氷優佳が魅力的。
頭も切れるし、女性としても魅力的な様子。
そこに、ほんのちょっと恋心が混じっているところが、余計魅力的なキャラクターに仕上げています。
優佳が登場する続編があるとのことなので、そちらも手に取ってみたいと思います。
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