育児と仕事の両立に限界を感じ、看護師の仕事を辞めることにした由紀恵。
しかし、その最後の夜勤の日、家で娘を見てくれているはずの夫と連絡がつかない。
由紀恵の頭には、良くない想像ばかりがよぎる。
秋吉理香子さんの『監禁』を読みました。
あらすじ
病院で看護師として働く三田由紀恵は、夫の雅之と子供の舞衣子の世話や、育児の分担について口論が絶えず、ストレスを抱えた状況になっていた。
そして、12月24日、この日の夜勤をもって、由紀恵は看護師の職を辞することになった。
一方、自宅で舞衣子を見ていた雅之は、妄想の中で由紀恵と舞衣子との3人での生活を夢見る男に監禁されていた。
感想
何だか他人事と思えない話。
うちは共働きではなかったけど、適正に家事や子育てを分担できていたかというと、かなり怪しい…
そもそも、夫婦の間で適正に分担ができていたと言える家庭はなかなかないのではないでしょうか。
作品の中にも書かれていますが、看護師さんの日常はとってもハード。
なんだか頭の痛い話だなぁと思いながら読みはじめたのですが、そう、この物語のタイトルは『監禁』。
「白衣の天使」とも言われる看護師に、一方的に恋心を寄せるヤバいヤツ。
「天使」と言えば、赤ちゃんもそうでしょうか…
自分の中の天使との生活を夢見て、余計なヤツを排除しようという行為と、病院での最後の1日が交互に描かれていくのですが、めでたし、めでたし、となったところで、まだページが余っている!
最後は、「雨降って地固まる」といった感じなのかな。
幸せになってほしいなぁと、心から思えるエンディングになっていました。
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