長期入院中の、身体を一切動かすことができない女性が妊娠した。
相手は病院関係者なのか?
産婦人科医の水瀬真理亜は、まばたきをとおして意思の疎通を図ろうとするが…
下村敦史さんの『アルテミスの涙』を読みました。
あらすじ
車の事故により、閉じ込め症候群(意識はあるが、身体を一切動かせない疾患)で長期間入院している岸辺愛華が、深夜に体調を崩した。
当直の産婦人科医・水瀬真理亜が診察すると、妊娠していることが判明した。
身体を動かせない愛華は、誰に妊娠させられたのか?
真理亜は、まばたきを通して真理亜とコミュニケーションを取ろうと試みる。
感想
身体を動かすことができない女性が妊娠。
当然、病院の安全管理体制が問われることになります。
しかも、愛華の父は政治家。聞いただけでも気が重くなるような設定…
しかし、誰が愛華を妊娠させたのかということが判明するところまでは、まだ序章に過ぎません。
そこからがこの作品の見せ場。
真理亜がまばたきを通して、愛華と心を通じ合わせていきます。
最後は思いもよらぬ展開に。
肝心なことを聞かないなぁと、ちょっと不思議に思っていたのですが、そういうことだったんですね。
真相が語られる前に察したときには、まさかと思いましたが、そういうことなら、と納得できる話でもありました。
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