浦賀和宏さんの『彼女は存在しない』を読みました。
あらすじ
貴治と待ち合わせをしていた香奈子は、女の子から「アヤコさんではないですか?」と声をかけられる。
そして映画を見たあと、その女の子が不良たちに絡まれているのを助け、ゆきがかり上、貴治の部屋に泊まることになる。
一方、妹の度重なる奇行を目撃した根本は、妹が多重人格者であるという結論に行き着く。
感想
「2度読み必須」というタイプの作品でしょうか。
最後に不明点がまとめられてはいますが、思いもよらぬ展開に、ページを戻って確認したくなるはず。
根本の妹が多重人格者であるという話なんだなぁと思いながら読み進めていったのですが、ページが進むにつれ、どういった結末が用意されているのだろう?と、不安半分、楽しみ半分になってきます。
終盤、話がそっちに行ってしまったかと思った矢先、思いもよらぬ展開が。
これには完全に騙されていました。
3年後にもう1度読めば、やっぱり騙されると思います。
言われてみれば、確かにそうだよなぁと思うのですが、読んでいる間はまったく思いもよらず。
気持ち良いくらいに騙されました。
多重人格者という、難しいテーマを扱いつつ、そこに大きな仕掛けを施した浦賀和宏さんに、脱帽です。
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