鴨崎暖炉さんの『密室狂乱時代 絶海の孤島と七つのトリック』を読みました。
あらすじ
現場が密室であれば無罪という判例が出た日本では、密室殺人が横行。〈密室代行業者〉なる職業まで誕生した。
そんな中、高校生の葛白香澄は、大富豪・大富ヶ原蒼大依が所有する金網島で開かれる、『密室トリックゲーム』に招待される。
しかし、ゲームの最中、参加者たちが実際に密室で殺害されるという事件が発生する。
感想
こちらの作品から先に読んでしまいましたが、鴨崎暖炉さんが『このミステリーがすごい!』大賞の文庫グランプリを受賞し、デビュー作となった『密室黄金時代の殺人 雪の館と六つのトリック』の続編のようです。
タイトルからもわかるとおり、7つの密室トリックが用意されているという、感心するやら、呆れるやらといった作品。
トリックを見誤ったものを含めると、8つの解が示されています。
いずれのトリックも、それ単体で密室ものとして出すとつらいものがあるかも知れませんが、人物描写やストーリー展開をうまくすれば、切り売りできるんじゃないかと思うものも少なくありません。
密室好きにはたまらない、密室がそこまで好きでない人ならお腹いっぱいになるくらい、密室が堪能できる作品になっています。
ただ、物語は基本的に葛白香澄の視点で描かれているのですが、時々「これは誰目線?」と、急に他人目線で香澄を見ているところがあったのが気になりました。
といっても、まだデビュー2作目の作品。これからが期待です。
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