僕が帰宅したとき、アパートの部屋の前に座っていた美女は、かつての約束を果たすためにやってきたというが、僕は彼女の顔に見覚えがない。突然とんでくる平手打ち…
しかも、彼女は難病に冒され、余命がわずかだという。
最後に涙腺崩壊!と思いきや、新たに生まれる謎。そこに、この作品がミステリであることを思い出させてくれます。
第15回『このミステリーがすごい! 』大賞の隠し玉!
才羽楽さんの『カササギの計略』を読みました。
あらすじ
大学生の岡部が、講義とアルバイトを終えてアパートへ戻ると、部屋の前に女性がしゃがみ込んでいた。
「どちらさまですか?」と訊くと、「ミシェル」という答えが。それでもわからないでいると、突然平手打ちが飛んできた。
華子と名乗る女性はそのまま押し入るように部屋へ入ってきて、奇妙な共同生活が始まった。
華子は、発病すると決して治癒しないという難病に冒されていて、残り少ない時間を、かつての約束を果たすために会いに来たと言う。
感想
第14回『このミステリーがすごい!』大賞の隠し玉として発刊された作品です。
久しぶりに小説を読んで泣くかも!と思いながら読んでいましたが、最後にこの作品がミステリである理由が明らかに。
そのまま泣かせてくれたら良いのに!と思いながらも、やっぱりそこに隠された謎が気になってしまうのでした。
最後も上手く纏められていて、読み心地は非常に良かったです。
これって、逆恨みだろうとか、伏線が見え見えという部分もありましたが、それ込みでも面白い作品でした。
他の作品も手にしたくなる作家さんですね。
オススメ!です。
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