中山七里さんの『おわかれはモーツァルト』を読みました。
あらすじ
ショパンコンクールで2位に入賞した盲目のピアニスト、榊場隆平。
隆平は自身初となる国内ツアーを控えていたが、フリーライターの寺下博之が隆平の取材に訪れる。
しかし、寺下の目的は、隆平は視覚障害者ではないというデマをでっち上げ、それを揉み消すための金を要求することだった。
隆平とマネージャーらは、寺下の恐喝行為の証拠を押さえようとしたが、その前に隆平の練習室で寺下が殺害されてしまう。
参考人となった隆平を救うため、岬洋介が立ち上がる。
感想
「岬洋介シリーズ」の第8作です。
現在刊行されている作品の中では最新作。
タイトルにある通り、この作品が最終作になってしまうのでしょうか?
個人的には、もっと続けてほしいシリーズ。
『帰ってきたウルトラマン』みたいにならないかなぁと思うのですが、前作のタイトルが『合唱 岬洋介の帰還』でしたからねぇ。このまま終わっちゃうのかな?
演奏のテクニックのことはあまり良くわかりませんが、演奏場面の描写にはいつものことながら圧倒されます。
ちなみに、以前も書いたとおり、作中で演奏されている曲を聴きながら読むのが私のお気に入り。
描写されている場面と、耳から入ってくる曲を対応づけることはできませんが、私でもなんとなく雰囲気をつかむことができます。
演奏シーンも含め、ドラマの部分は面白かったのですが、殺人事件ものとしては、ちょっと物足りなかったかなと思いました。
意外性を狙ったであろう犯人も、私の予想どおり。
警察の捜査も、無茶をやるならとことん無茶をやるとか、もう少しメリハリがあっても良かったのではと思いました。
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