【読書】中山七里『セイレーンの懺悔』

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中山七里さんの『セイレーンの懺悔』を読みました。

あらすじ 

帝都テレビはBRO(放送倫理・番組向上機構)から、今年3回目となる勧告を受けていた。
そんな中、女子高生・東良綾香が誘拐されたとの一報が入る。
社会部の記者・朝倉多香美は、先輩の里谷太一とともに事件を追うが、綾香は廃工場の中で変わり果てた姿で発見される。
多香美と里谷は、綾香を苛めていた同級生の情報を得て、彼女らが事後対応を話し合っている場をおさえることに成功するが…

感想

結論から言うと、読んでいて楽しい作品ではなかったかなぁと…
ただ、それは中山七里さんの狙い通りだったのではないかと思います。

私の頭の片隅には、絶えず犯罪に関する報道の在り方というものが引っかかっていて、今回は、まさにその部分を刺激される作品になっていました。
おそらく、この悩みはヒロインである朝倉多香美も似たようなものを抱えていたのだと思います。
犯罪に関する報道はどうあるべきなのか。中山七里さんの考えを聞けたような気がします。

ちなみに、作品のタイトルにある「セイレーン」とは、ギリシャ神話に出てくる妖精の名前で、上半身は女性、下半身は鳥という姿をしていて、岩礁の上から美しい歌声で船員たちを惑わし、難破に誘うのだとか。

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