島田荘司さんの『占星術殺人事件』を読みました。
あらすじ
画家の梅沢平吉は、占星術に基づき、6人の処女の肉体から完璧な1人の女性・〈アゾート〉を創り出す計画を立てたが、それを実行する前に平吉は密室の中で殺害されてしまう。
しかし、平吉の死後、平吉の計画通り6人の娘たちが行方不明になり、日本各地で遺体の一部が切り取られた6体の死体が見つかる。
事件から43年後、御手洗潔は、迷宮入りした事件に挑む。
感想
謎を解く鍵すべてが読者に開示されるうえ、途中で作者からの挑戦状が2通も(!)挟まれるという、挑戦的な作品です。
が、「もうそろそろ解いていただきたいと思うのだが――」と書かれた2通目の挑戦状の時点では、さっぱり。
密室のトリックに気をとられていたこともありますが、アゾートの謎については、謎解きの寸前でようやく解に辿り着くという始末…
完敗でしたが、どこか清々しい気持ちもあります。
43年も前の事件を解くということで、安楽椅子探偵を思い浮かべたのですが、京都、大阪、愛知へ出向いて、なかなか精力的に動き回っています。
ヒントが巧みに隠されていて、なかなか挑戦しがいがありました。
細かいところで、多少首を捻る部分もありましたが、基本的にフェアで、面白い作品だと思いました。
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