赤川次郎さんの『決闘』を読みました。
大学に通う日比野征哉は、1度ベッドインしてしまったことがある女の子・向井久美から、妊娠したことを告げられる。
しかも、不良仲間とつるんでいる久美の兄・忠男から、決闘を申し込まれる。
決闘は翌朝5時。
どう考えても勝ち目のない征哉は、どう闘うのか?
実に15冊ぶりの赤川次郎さんの作品になります。
ブログ上ではアップする順番が若干入れ替わっていますので、それほど間が空いていないかも知れませんが、ずいぶん久しぶりです。
その前も12冊あいていたので、最近赤川次郎さんの作品を読むペースが急激に落ちています。
その理由は、主だったところはほとんど読み尽くしてしまったためでもあるのですが…
赤川次郎さんに代わって、最近よく読むようになったのが、中山七里さん、森博嗣さん、宮部みゆきさん、米澤穂信さんといったあたりなのですが、これらの作家さんの作品を読むときと、赤川次郎さんの作品を読むときとでは、アンテナを張る角度が変わってくるような気がします。
赤川次郎さんの作品を読むときには、「ミステリ」とか、「人間ドラマ」といったベクトルでは語り尽くせないものがあるように思います。
その代表格が「青春」というベクトルなんじゃないかと思うのは、私だけではないと思います。
思春期の少女、少年の複雑で繊細な心の内を言葉で表す。
そこに、赤川文学の神髄がある気がします。
この作品では、小さな嘘や、1つのボタンの掛け違えが大きな波になり、人々を飲み込んでいきます。
最後の場面も「青春」。
こんな青春ドラマだって良いじゃないって思えてくるのが面白い作品です。
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