森博嗣さんの『封印再度』を読みました。
あらすじ
京都から岐阜に移築された旧家、香山家の当主・林水が腹を刺され、近くの河原で死んでいるのが発見された。
林水の父・風采も林水同様仏画師だったが、50年前に家の蔵で自殺していた。
香山家には「天地の瓢」という壺と、「無我の匣」という鍵箱が伝えられており、鍵箱を開けるための鍵は壺の中に入っているが、鍵の大きさは壺の口よりも大きいという代物だった。
感想
全10冊で構成される「S&Mシリーズ」も折り返しの5冊目となりました。
理系ミステリで知られる森博嗣さん。超理系人間の私はどハマりしてしまっていまして、毎作楽しみに読ませていただいています。
どこからでも読めるシリーズものというよりは、順番に読むべきなんじゃないかなぁと思います。
シリーズキャラクターたちの私生活にも毎作毎作進展があって、謎解きの部分以外にも楽しみがあるのが良いですね。
さて、密室を扱うことが多い森博嗣さんですが、今回は密室あり、消えた凶器あり、開かない箱がありと、なかなか盛りだくさんになっています。
壺から取り出せない鍵については、理系ミステリだし、犀川は建築学科の助教授だから、当然…と思っていたのですが、見事に外れてしまいました。
私の推理は西之園萌絵が代弁してくれているので、そちらを参照いただければ…
“錠”の部分に使われた仕掛けは、私も知っているものだっただけに、思いつかなかったのがちょっと悔しかったです。
一方、密室の謎については、さすが建築学科でドクターまで取得した森博嗣さんだなぁと、舌を巻きました。
ところで、犀川と萌絵がしたためた書類はどうなったんでしょう?
読み終わる前から次作が気になってしまうのでした。
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